CVP分析の「C」とはコスト、「V」とは売上高、「P」とは利益を表します。この3者にはある程度の関係が成り立ちます。つまり、売上高が増えればコストも増えて利益も増えるという関係です。
この3者に関係性があるというのは納得できますが、その関係をもっと具体的に計算式で表現できないかと考えて考案されているのがコストを変動費を固定費とに区分することにより。売上高と利益を計算式で表現しようとしたものがCVP分析です。
原価は製品の生産・販売量に対応して増減する変動費と生産・販売量とは関係なく一定額発生する固定費とに分類できます。
実際には変動費と固定費の両方の性格を持つ準変動費や準固定費もありますが、説明は省略します。
こうして原価を変動費と固定費とに分類しますと、販売数量、販売価格、変動費、固定費、利益等の項目間に一定の関係が成り立ちます。
すなわち、「売上高-原価=利益」から算式を展開しますと、
売上高(=販売数量×販売単価)-原価(=販売数量×変動費+固定費)=利益
↓
(販売単価-変動費)×販売数量-固定費=利益
↓
(1-変動費/販売単価)×販売単価×販売数量-固定費=利益
↓
(1-変動費率)×売上高-固定費=利益
こうした売上高(売上数量)、変動費・限界利益・固定費等が一定の算式で現すことができるため、次のようなシミュレーションを行うことが可能となります。
・変動費率・固定費が所与のとき、損益=0となる売上高の算定
・売上高・変動費率・固定費が所与のときの利益の算定
・売上高・変動費率・利益が所与のときの固定費の算定
・売上高・固定費・利益が所与のときの変動費率の算定
・変動費率・固定費が所与のときの一定の売上利益率を達成するための売上高の算定