管理会計は分解思考です。
今回は、このことを前回とは別の角度から解説します。
ポイントは分解の仕方で、どのようにして全体を分けるかということです。
管理会計には「足し算の分解」と「かけ算の分解」があります。
足し算の分解は、多くの企業で行われていることと思います。
たとえば全体の売上高を出すのに、東京の売上高と大阪の売上高を足し算するといったことです。
あるいは、A商品の売上高とB商品の売上高を足して全社の売上高になるという分解もあります。
足し算を行った上で、東京と大阪、あるいはA商品とB商品を比べてどちらが良かったのか、悪かったのかを分析します。
足し算の分解を行う上で気をつけたいことは、あまり重要性の高くない分野まで細分化して管理しようとしないことです。
商品の種類は、場合によっては1,000個や1万個に上ります。
この場合、重要ではないものは「その他」として括って管理することが大事です。
あるいは顧客の数が1,000人や1万人以上となる企業もあるかもしれません。
しかし、全顧客を管理することは当然できませんので、言葉は悪いのですが重要でない顧客は「その他」として括って管理していくことが大事です。
もう1つは「かけ算の分解」です。
会社の業績を表す指標として「資産利益率(利益÷資産)」というものがあります。
これは、どれだけの資産をつぎ込んで、どれだけの利益をあげたかといった割合です。
しかし資産利益率だけだと、何をどう改善したらよいかわからず浸透しづらいことから、この資産利益率を、「資産回転率」と「売上高利益率」の2つに分解します。
具体的には次の計算式に分解します。
資産回転率(売上高÷資産)✕売上高利益率(利益÷売上高)これが「かけ算の分解」です。
「資産利益率(利益÷資産)」にはない「売上高」を使って分解しています。
2つに分解して得られるメリットとは、利益をあげるために、資産回転率を高めるのか、あるいは売上高利益率を高めるのかに分けて考えることができることです。
商売は、1個の利益を高くして売って儲けるか、あるいは利益の低い1個をたくさん売って儲けるかという2択です。
私はこれを商売の二大原則だと考えています。
つまり、「1個売れば儲かる」ようにするのか「たくさん売って儲かる」ようにするかということです。
「1個売れば儲かる」というのは、売上高利益率で考えます。
「たくさん売って儲かる」というのは、資産回転率で考えます。
資産回転率は、たとえば回転寿司とかファストフードといった場所で日常体験されていると思います。
「かけ算の分解」を行えば、1つの分数を2つの分数に分けて、どちらかやりやすいほうを選択することができます。
このようなところを理解すると面白いと思います。