今回は、管理会計でよく使われる用語や手法のうち
・原価分類
・CVP分析
・部門評価
・セグメント分析
・キャッシュフロー
・経営分析
・決算書の読み方
・月次決算の手法
・設備投資の意思決定
について、網羅的に解説します。
まずは「原価分類」についてです。
原価分類は管理会計の中心的なテーマで、よく使われる用語として、まず
・変動費
・固定費
というものがあります。
変動費とは、物の生産量に応じて変動するコストです。
固定費とは、物の生産量に関係なく発生する固定のコストになります。
それから、同じく管理会計でよく使われる用語に
・直接費
・間接費
というものがあります。
直接費とは、その製品にいくらかかったか把握できるコストのことです。
間接費とは、たとえば電気代のように、その製品にいくらかかったか直接的に把握できないコストになります。
変動費、固定費、直接費、間接費といったものが管理会計で物の原価を捉えるうえでは大事な用語です。
これらを覚えていただくと、今後の経営に活きてくると思います。
他にも原価分類には様々な用語がありますが、別の機会に解説します。
続いて、「CVP分析」についてです。
CVP分析とは、コストを変動費と固定費に分けて限界利益や損益分岐点を分析するためのもので、経営においてとても大事なものになります。
CVP分析のCはコストのC、Vは売上高、Pは利益のことです。
決算書の情報だけでは、売上高が増えたときに利益がいくら増えるかといったことはわかりません。
つまり経営者にとって一番欲しい情報が、決算書からは把握できないということです。
このため、経営者にとって決算書が縁遠く感じられてしまいます。
一方で、固定費と変動費にコストを区分して考えるCVP分析を用いれば、経営者にもわかりやすい形でコストを把握し、利益を見通すことができるようになるのです。
続いて「部門評価」についてです。
部門評価とは、自社のどの生産ラインが儲かっているかということです。
管理会計では全体的な損益を計算する決算書と違い、どの部門が儲かっているか、どの部門が損をしているかといったことが非常に大事になってきます。
部門評価で各部門の損益を確認したら、それをさらに詳しく見ていく手法が、次のセグメント分析になります。
続いては「セグメント分析」です。
セグメントというのは、見方や視点、分け方といったことを指します。
どの商品が儲かっているのか、あるいはどの商品が儲かっていないのかという商品からの分析や、どのお客様が儲けさせてくれているのか、あるいはどのお客様が儲けさせてくれていないかという顧客からの分析が重要になってきます。
管理会計で重要なのは、全体を見ることではなく、全体を細分化してどこに問題があるかを把握することにあるのです。
続いて「キャッシュフロー」についてです。
私が定義している「儲かる」とは、利益があがってキャッシュフローが増えることになります。
キャッシュフローは、経営において重要であるのにわかりにくい特殊な会計用語ですので、今回ここでも触れさせていただきました。
続いて「経営分析」についてです。経営分析の手法には、収益性分析や安全性分析などがあります。
収益性分析とは、会社に儲ける力があるかを分析するものです。
安全性分析とは、どのくらい会社が倒産しにくいかを分析するためのものになります。
続いて「決算書の読み方」についてです。
決算書は会社の業績や資産の状況を表したものなのですが、往々にして税理士特有の税務や会計の難しい言葉を用いて作られています。
そのため、経営者にとっては自分のことだという認識が薄いものになってしまいがちです。
本来は作成する側が、経営者にわかるような形で決算書を説明しなければいけません。
そうしなければ、会計人と経営者が手を取り合って会社を良くする手段として、決算書が機能しなくなってしまうからです。