今回は、儲けるにはどうすればいいかについて具体的な話をします。
儲けるための手法は、次の(1)と(2)の両方が必要です。
(1)利益をあげる
(2)キャッシュフローを増加させる
両者には、それぞれ具体的方法が3つずつ存在します。
まず、(1)の利益をあげる具体的方法は次の3つです。
①売上高を増加させる
②コストを削減する
③投資をしてそれ以上の回収を行う
①の「売上高を増加させる」というのは、管理会計だけでなくマーケティングにも及ぶ話です。
売上高を増加させる上で、マーケティングに関する知識は非常に重要です。
管理会計とマーケティングの知識は、どちらか一方でも欠落すると利益を上げることはできません。
儲ける上でこの2つは、両輪の関係にあると思って下さい。
②の「コストを削減する」というのは管理会計としての話になります。
いつ、どこで、誰が、どれだけのコストを使っているのかをそのトレンドを分析して、コストの削減を図ります。
③の「投資をしてそれ以上の回収を行う」とは、儲けるための基本的なパターンです。
しかしながら投資というのは怖いもので、最初はどうしてもお金が一方的に出ていくだけになってしまいます。
そのため投資をしたがらない経営者が多いのですが、投資を行うことは儲けるための王道です。
以上が、利益をあげる方法の具体的な中身です。
次に(2)のキャッシュフローを増加させる方法ですが、こちらも具体的に3つあります。
④売掛金を減少させる
⑤在庫を減少させる
⑥不良資産など儲けを生まない資産を処分する
まず④の「売掛金を減少させる」についてですが、売掛金とは、売上高に対する未回収の債権のことです。
それを減少させるとなると、「では売らなければいいのか」と考えるかも知れませんが、そうではありません。
儲けるために、売上高を増やして売掛金を増やすことは第一になります。
私が伝えたいのは、売上高を増やして売掛金を増やしただけで止まっていると、その利益が永久にお金にならないこということです。
したがって儲けるためには、売掛金を早く回収してキャッシュを作ることが必要になります。
⑤の「在庫を減少させる」ということも、キャッシュフローを増加させる上で注意が必要です。
在庫がないと売上が立たないので、仕入れを増やし、在庫を多く持ちたがる経営者もいます。
しかし、在庫というのは仕入れた段階でお金が出ていきます。
そして、仕入れたものが全部売れるとは限りません。
仕入れたものの何割かが売れるだけなのです。
したがって「とにかく在庫を増やそう」という考えを先行させて数を増やすだけでは、お金は出ていくばかりになります。
仕入れは、売れ筋に限って行うことが原則です。
ただ在庫を多くもつことではなく、売れ筋を見極めて仕入れることが、キャッシュフローを増加させる在庫管理の方法になります。
⑥の「不良資産など儲けを生まない資産を処分する」についてですが、儲けを生まない資産は、みなさんの会社にもあると思います。
そのような資産は早く処分して下さい。
処分をすると処分損が出ますが、その分だけ利益が減るため、結果的に支払う税金が減少します。
税金を減らすことは税金が戻ってくることと同じです。
したがって、その分だけキャッシュフローを増加させてくれます。
以上が、キャッシュフローを増加させる方法の具体的な中身です。
①~⑥の6つの方法を踏まえて、私が定義した「儲ける」ということを考えていただきたいと思います。