剰余金の分配は次の2つのものからなります。
(1)株主に対する金銭等の分配(利益配当、中間配当、資本および準備金の減少に伴う払戻し)
(2)自己株式の有償取得(有償消却を含む)
(1)会社法では、決算の確定と利益の処分は無関係になりました。
(2)利益の配当、中間配当、資本金および準備金の減少に伴う払戻し、自己株式の有償取得等を「剰余金の分配」として統一的な財源規制のもとにおきました。
(3)剰余金の分配は、株主総会の決議により一事業年度に何回でも実施可能であり 現物配当も可能になっています。そのために株主資本等変動計算書が作成されるようになりました。
(4)会計監査人設置会社、かつ、取締役の任期は1年とすることなど一定の要件を満たせば、定款の定めにより、取締役会決議による剰余金の分配が可能となりました。
(5)分配可能額な剰余金は基本的には純資産から次の金額を控除した額となります。
①資本金
②準備金(資本準備金、利益準備金)
③評価換算差額等
④新株予約権
よって、その他資本剰余金も分配可能となります。
また、評価換算差額を除外することで未実現の利益による配当が行われないようにしています。
なお、臨時計算書類を作成した場合には、臨時決算日までの期間損益が分配可能額に反映させることができます。
(6)純資産額が300万円を下回る場合には、剰余金の配当等を行うことはできません 。
(7)これまでの中間配当は制度上、存続しており、中間配当の定めが定款にある株式会社は取締役会の決議で年1回金銭の分配を行うことができます。
剰余金の配当にあたっては、株主総会の普通決議によって以下の事項を決めなければいけません。
(1)配当財源の種類および帳簿価額の総額
(2)株主に対する配当財産割当に関する事項
(3)当該剰余金の配当がその効力を生じる日
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