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労働保険業務の基礎知識

労働保険とは

労働保険とは労災保険と雇用保険とを総称した保険です。
(1)労災保険
 従業員が勤務中や通勤途中で災害にあった場合の補償を行う保険です。
 ※パートやアルバイトも加入者になりますが、原則的に役員は加入できません。

(2)雇用保険
 従業員が失業した場合に失業保険など(失業等給付)や教育訓練などの補償や給付を行う保険です。

労働保険の加入手続

 労働保険の加入手続は、まずは労働保険全体の加入手続きを行い、その次に雇用保険の加入手続きを行います。
(1)労働保険保険関係成立届の提出(労働基準監督署へ)
 事業所において労災保険の適用事業を開始して、従業員を1人でも雇えば、労災保険の保険関係は成立します。
 この保険関係成立の日から10以内に、所轄の労働基準監督署に「労働保険保険関係成立届」を提出します。
 そうしますと、事業所を管理する「労働保険番号」が付与され、今後の届出等はこの番号で行うことになります。

(2)雇用保険適用事業所設置届の提出(ハローワークへ)
 次に、所轄のハロ-ワークに「雇用保険適用事業所設置届」を、労働保険の適用事業所を設置した日から10日以内に提出します。
 また、「雇用保険被保険者資格取得届」を提出して、従業員の加入手続きも行います。
 これらの手続きにより、「事業所番号」が与えられ、今後の各種手続きはこの番号で行うことになります。

労働保険の届出先別手続

(1)労災保険は労働基準監督署
 ・労災保険加入
 ・労働保険料の申告
 ・就業規則、労働協定の届出
 ・労災保険の給付
 ・安全衛生に関する届出

(2)雇用保険はハローワーク  
 ・雇用保険の加入
 ・被保険者の資格取得、喪失
 ・失業給付
 ・雇用保険の給付
 ・求人、求職の申し込み

労働保険料の年度更新

(1)年度更新とは
 年度更新とは毎年7月10日までに計算年度(4月1日から翌年3月31日まで)の従業員の賃金を集計し、労働保険の納付額を計算し、労働基準監督署に届ける手続をいいます。
 その届出時に前年度分の届け出た保険料と、実際の賃金額に基づいて計算された保険料との差額を精算します。
 そして、同時に今年度分の賃金見込額に基づいて今年度の保険料が概算納付します。

 まとめますと、次のようになります。
 ①労働保険の年度更新
  労働保険料を算出する作業のことをいいます。
 ②概算保険料
  労働保険料は、まず、1年分の保険料を概算で算出して納めます。これを「概算保険料」といいます。
 ③確定保険料
  そして、1年たったら、保険料を確定させて、概算で納めた保険料額との差額を納めることになります。この確定させた保険料を「確定保険料」といいます。

  ※労働保険では給与のことを賃金といいます。

(2)労働保険料の納付
 労働保険料は7月10日までに当事業年度分を概算一括払いするのが原則です。
 ただし、概算保険料が40万円を超える場合には延納(分割払い)を選択することができます。
 年3回の分割納付時期は、第1期:7月10日 第2期:10月31日 第3期:1月31日となります。

労働保険料算定時に使う給与額(賃金額)

(1)従業員が労働の対象として受けるものは、すべて労働保険料の対象になります。通勤交通費や賞与、役職手当、家族手当も労働保険料の対象です。
 一方、労働の対象ではないものは労働保険料の対象にはなりません。結婚祝い金や出張旅費、退職金は労働保険料の対象にはなりません。

(2)雇用保険は4月1日時点で満64歳の従業員雇用保険料が免除になります。給与の総額を算出する際には、この従業員の給与額を差し引いて計算しなければなりません。

(3)賞与を支払ったときの雇用保険料の取扱い
 賞与にかかる雇用保険料は、労働保険の年度更新時に、通常の給与にかかる労働保険料とともに納付します。

従業員に氏名や住所の異動があった場合

ハローワークへの届出が必要となります。
(1)従業員の氏名に異動があった場合
 <申請書類>
  雇用保険被保険者氏名変更届
 <準備書類等>  
  雇用保険被保険者証
 <届出期限>
  速やかに届出をします。

(2)従業員の住所に異動があった場合
 必要ありません(社会保険については届出が必要です)。
 

退職金を支払ったとき

 労働保険料は課税されません。

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