このページでは固定資産管理システムの概要について記載していきます。内容は「情報の流れ」に着目して記載したものとなっております。
また、内容のポイントは次の通りです。
・固定資産管理システムはどのような情報を作成するのが目的なのか
・固定資産管理システムと関連する業務システムにはどのようなものがあるか
・固定資産管理システムに入力または出力される情報とはどのような情報か
・固定資産管理システムとして出力されることが望まれる情報にはどのようなものがあるか
(現在、販売されているパッケージで可能かどうかは考えない)
・固定資産管理システムを運営する上で実務上、ポイントとなる点にはどのようなものがあるか
(有形)固定資産のビジネスプロセスの流れはとポイントは次のようになります。
(1)購入検討
設備投資の意思決定、予算確保
(2)取得
取得原価の決定(取得付随費用、資産除去債務の考慮)
(3)利用
稼働率の確保、減価償却、修繕等支出の費用もしくは資産計上の区分、事業所間移動
(4)期末時
有形固定資産の評価(評価損、減損損失の計上)、遊休資産等の処分の検討
(5)除却売却
除却・売却の処理
・製造業の場合、膨大な件数となる固定資産の取得・除却・減価償却・期末残高などの情報を管理する。
・固定資産ごとの稼働・未稼働といったステータス情報を管理する。
・設備投資の経済性計算(増加キャッシュフローの計算)
・設備投資予算の作成
・設備投資の稟議
・施設管理部門による業者選定
・長期工事になる場合の設備代金の支払方法決定
・外注先への金型等の貸出管理
・親会社・得意先からの金型等の預かり管理
1.事前準備
(1)固定資産コードの設定
①コード桁数の決定
②コードに意味を持たせるか(有意or無意)
(2)固定資産管理ルールの設定
①固定資産として計上する物品の最低購入価額
②固定資産管理部署の明確化
③固定資産管理プレートの現物への貼付
2.運用
(1)固定資産への追加的支出(修繕費または取得価額増額)の処理が妥当かどうかの検討する。
(2)修繕計画に基づく定期的修繕の実施する。
(3)年に1回は固定資産の現況を調査する。
(1手書き(台帳)で対応
商業を営んでおり、事業所を賃貸している場合などは表計算ソフトでも適応できる。
(2パソコン・オフコンパッケージの利用
中堅企業まではパソコン等のパッケージで十分に対応できる。
(3)ERPパッケージの利用
月次以上の周期で製品コスト情報を把握しようとする場合にはERPパッケージが必要になると考える。
・固定資産の履歴を管理
・減価償却費の計算(科目別、拠点別)
・特別償却に対応
・少額減価償却資産の一括償却
・耐用年数辞書を保有
・リース資産管理
・法人税申告書別表十六の自動作成
・償却資産税申告書の作成
・固定資産取得データの入力に際しては「○○ライン機械一式」とするのではなく、将来の部分的取替を考慮して取替可能な単位ごとにデータ入力を行う。
また、固定資産コードは親子関係で付番する(親は○○ライン機械、子は取替可能な単位)。
・期末には建設仮勘定の残高明細を作成し、完成及び稼働の別を確認し、稼働しているものについては固定資産の本勘定に振り替える。
・年1回は実地棚卸を行い、使用による機能の低下や修繕の有無をチェックする。故障による生産中断や品質低下による生産物の規制基準値を下回ることなどがないようにするためである。なお、実地棚卸の時期は期末などの業務多忙な時期を避けるのが通例である。
・取得日
・固定資産科目名
・新品、中古の別
・設置、利用場所
・固定資産コード(管理ナンバー)
・耐用年数
・減価償却方法(定額法、定率法)
・稼働日
・内製資産の振替コスト情報
・稼働・未稼働情報
・資本的支出情報
・固定資産台帳
・当期固定資産取得金額
・当期固定資産除却金額(取得価額ベース、簿価ベース)
・期末固定資産価額(取得価額ベース、簿価ベース)
・当期減価償却費、外注先への貸出資産の減価償却費
・未稼働資産情報
・次期以降減価償却費予想
・設備投資による増加キャッシュフロー金額
・設備投資予算と建設仮勘定残高の比較情報
・機械等の稼働時間、未稼働時間(例:生産調整、修繕)
・固定資産の有効年数(収益に貢献する期間)
・内製資産コストの単価決定ロジック(例:1時間あたりの賃率)
・固定資産部品の取替時期、取替金額
・固定資産部品の予備ストック量
・損害保険の付保状況(損害発生時の賠償額、新規取得費用見積額など)
・企業グループ内の会社との購入取引ならびに売却取引の履歴