このページは在庫管理システムの概要について記載しています。内容は「情報の流れ」に着目して記載したものとなっております。
また、内容のポイントは次の通りです。
・在庫管理システムはどのような情報を作成するのが目的なのか
・在庫管理システムと関連する業務システムにはどのようなものがあるか
・在庫管理システムに入力または出力される情報とはどのような情報か
・在庫管理システムとして出力されることが望まれる情報にはどのようなものがあるか
(現在、販売されているパッケージで可能かどうかは考えない)
・在庫管理システムを運営する上で実務上、ポイントとなる点にはどのようなものがあるか
1.商品の位置づけからみた在庫区分
(1)定番品・基盤商品
その企業や店舗の顔となる商品
「○○といえば、□□だ」
(2)流行品
他店でも流行っている商品
(3)季節商品
季節によって販売される、あるいは季節によって販売量が大きく増減する商品
2.販売状況からみた在庫区分
(1)売れ筋商品
よく売れている商品
(2)見せ筋
売れなくていい、あるいは売るつもりはないが、企業や店舗のコンセプト・技術を伝えるための商品
例:1mm以下の歯車等
(3)死に筋
流行から外れて売れなくなっている商品
3.需要の変動からみた在庫の区分
在庫の変動からみた在庫の区分は次のようになります。
(1)日常品
需要の変動が少ない(食料品、ガソリン等)。
(2)季節的変動がある商品
季節や温度差によって需要が大きく変動する商品等(夏物衣服・冬物衣服、ビール等の飲料品、灯油等)
(3)不定期に継続的な需要がある商品
メンテナンス用品
(1)在庫管理の目的
正確な在庫量を把握することで
・顧客への適切な納期回答を行う
・適切な発注量を計算する
・営業担当者に在庫可能数量を通知する
(2)在庫処分
最終入出庫日から棚卸資産の滞留状況を判断し、在庫処分を行う。
・在庫受入業務(検品、データ入力、バーコード貼付など)
・倉庫内物流業務(保管、移動、ピッキングなど)
・在庫品質管理業務(温度、湿度、鮮度等)
・品質検査業務
・返品管理業務
・外注先管理
1.事前準備
(1)商品コードの設定
①コード桁数の決定
②コードに意味を持たせるか(有意or無意)
(2)在庫取扱ルールの設定
①在庫受入、保管場所の特定
②預り在庫のように入出庫処理をしない棚卸資産の扱い
③在庫払出時のデータ入力の義務づけ
④長期滞留在庫、過剰在庫の定義
2.運用
(1)在庫取扱ルールの順守状況のモニタリング
(2)在庫の管理状況に応じて実地棚卸を行い、棚卸差異と差異原因を調査し、管理方法にフィードバックさせる。
(1)手書き(台帳)で対応
取扱商品数が少なく、入出荷も頻繁には行われない場合などに限定される。
(2)パソコン・オフコンパッケージの利用
中堅企業まではパソコン等のパッケージで十分に対応できる。
(3)ERPパッケージの利用
リアルタイムでの在庫量の把握が可能
・見積もりデータから受注、出荷、請求データの自動作成
・払出単価の自動計算(月次総平均法など)
・実地棚卸数量の入力による棚卸減耗損の算出
・安全在庫を下回った棚卸資産の自動発注または発注伝票の自動作成
・仕入計上しない見本品や広告品の在庫管理
・セット商品(例:お中元商品)の在庫管理
・倉庫別の在庫管理
・画面、出力帳票のExcel等への出力
・ABC分析などにより棚卸資産ごとの重要性を把握し、重要度に応じた管理を行う。
・重要性の高い商製品については担当者を決め、機会ロスと廃棄ロスを最小化する。
・在庫の回転が速い棚卸資産ほど、入出荷作業の行いやすいロケーションに保管する。
・仕入単位(例:箱)を在庫単位(例:本数)に合わせて在庫入力を行う。
・まとめ買いすれば単位当たりの単価が安くなるが、余剰在庫が発生しやすい。仕入リードタイムが長い品目はまとめ買いは有効だが、金額面のメリットを狙ってのものは過去の余剰在庫と廃棄ロスの発生度合いを把握して行う方がよい。
・商品を購入したがその商品が運送中の在庫については、自社の国内倉庫に在庫されているわけではありませんが、自社在庫であるため「運送中在庫倉庫」等のバーチャル倉庫を設定して在庫管理するといいでしょう。
・入出庫日(時)
・入庫時の保管場所(倉庫名・ロケーション名)
・入出庫品目コード
・入出庫数量
・入出庫単位(箱、個、㎏など)
・倉庫(拠点)間振替数量(金額)
・外注先との入出庫数量(金額)、有償支給または無償支給の別
・現在在庫量(拠点別、倉庫別)
・月次、週次入出庫数量(金額)
・倉庫(拠点)間振替数量(金額)
・外注先との入出庫数量(金額)
・将来在庫数量(引当可能数量)
・最終入出庫日
・長期滞留数量(金額)
・安全在庫量を下回ったときの注意報、自動発注情報
・経済的発注量(仕入付随コストと保管コストのバランス)
・品目ごとの仕入リードタイム(例:海外から船便で輸入すると3ヶ月など)
・品目ごとの賞味期限(品目内容、温度を考慮)
・社内在庫、流通在庫情報
・売れ筋、死に筋情報
・外注先での支給品の仕損じ数量(金額)
(1)生産管理システム
生産計画を受けて資材調達量の把握
(2)販売管理管理システム
在庫量を勘案して、発注量と発注のタイミングの判断
(3)会計システム
在庫管理システムからの棚卸減耗損データの自動仕訳による受入