(1)定期発注
発注時期を一定間隔に固定しておき、その時点での需要予測にもとづいて毎回の発注量を決定する。
(2)定量発注
在庫量があらかじめ設定しておいた発注点に達したときに発注するものであり、発注時期は一定でない。
(3)定期発注と定量発注の選択
通常、定期発注方式は手間がかかるため、取扱金額が大きくきめ細かい在庫管理が必要となる品目は定期発注方式で、それ以外のものは定量発注方式で行われることが多いようです。
ABC分析は、取扱金額をもとに在庫品目のクラス分けをするためによく利用されおり、取扱金額の累積構成比から在庫品目をA,B、Cの3つのクラスに区分することができます。一般的には、累計構成比の上位から70~80%がAクラス、80~90%がBクラス、90~100%をCクラスとし、定期発注方式はAに対して、定量発注方式はBとCに対して適用されます。
定量発注方式は、その都度、発注量を決定する必要がないかわりに、あらかじめ、発注点となる在庫量と、1回あたりの経済的発注量(EOQ)を設計しておくことが必要となります。
特に小売業では、仕入権限を本部集中にするか店舗別に発注を認めるかという選択があります。
(1)本部一括発注
・一括して仕入先と交渉に当たることができるため、仕入値が安くなる(ボリュームディスカウント)。
・売れ筋商品を各店舗に陳列させることができる。
・現場は上からの「押しつけ商品」を売らされているという押しつけが強くなり、自主性ややる気を失わせる可能性がある。
(2)店舗別発注
・地域別特性を考慮した品揃えができる。
・自分たちで仕入れると決めて仕入れているので「どうやっても売ろう」という熱意が湧いてくる。
・他の店舗でよく売れている商品の品揃えを切らすこともある。
・定時購買でない限り、発注のタイミングを勘案することが必要となります。つまり、発注を行えば在庫が増加し、保管費用ならびに保管スペースも必要となり、仕入費用の支払いということで資金繰りにも当然に目を向けなければならないからです。
発注先の選択
発注先の選択では購買コスト削減を考えますと仕入単価が安いことが重要視されますが、発注から納品までの期間(納期)が短いことも発注先の選択の重要な要素です。
納期を短くすることにより、販売の趨勢や需要予測を生産に反映させ、販売機会の喪失や、不要な製品在庫の発生を防ぐことができるからです。