このページでは購買管理システムの概要について記載していきます。内容は「情報の流れ」に着目して記載したものとなっております。
また、内容のポイントは次の通りです。
・購買管理システムはどのような情報を作成するのが目的なのか
・購買管理システムと関連する業務システムにはどのようなものがあるか
・購買管理システムに入力または出力される情報とはどのような情報か
・購買管理システムとして出力されることが望まれる情報にはどのようなものがあるか
（現在、販売されているパッケージで可能かどうかは考えない）
・購買管理システムを運営する上で実務上、ポイントとなる点にはどのようなものがあるか
・顧客からの受注に対して納期通りに商製品を配送できるように商品や資材の調達を行うこと。
・購買物（材料、商品）の品質を確保すること。
購買物は後工程の不良品発生率（歩留まり率）、販売後のクレーム発生率、返品率、リコール発生率に大きな影響を与えます。「利は元にあり」を実践しなければなりません。
・商品や資材の購入額に応じて正確に購買先に対する支払データを作成すること
・購買管理業務
・在庫管理業務
・生産管理業務
1.事前準備
(1)購買先情報の設定
①購買先コード
②単価の取り決め
③値引き、割引等の条件
(2)返品ルール
(3)発注方法の決定
①発注場所（本社一括、各支店・営業所ごと）
②発注方法（電話、ＦＡＸ、インターネット、ＥＤＩなど）
2.運用
(1)当初設定単価以外の単価使用のフォロー
(2)納期どおりに納品できない購買先の把握
(3)購買先からの請求書・納品明細と自社の検収明細との照合し、不整合の理由を調査する。
(4)仕入先別、仕入経路別、商品別、担当者別、期間別といった様々な視点から分析単位を設定し、購買計画と対比することにより、購買業務上の問題点を抽出し、対策を講ずる。
(5)購買分析は(4)のセグメント別に数量要因と価格要因とに分けて分析を行う。
・手書き（台帳）で対応
取扱商品数が少なく、入出荷も頻繁には行われない場合などに限定される。
・パソコン・オフコンパッケージの利用
中堅企業まではパソコン等のパッケージで十分に対応できる。
・ＥＲＰの利用
購買データに基づき、在庫をリアルタイムに更新する。
・見積もりデータから受注、出荷、請求データの自動作成
・ 受注の分納処理
・ 直送売上処理（仕入先から購買先へ商品直送による売上）
・ 購買先ごとの購買単価・掛け率の設定
・ 納品書、請求書の自動作成
・ 購買先別・商品別売上統計
・ 購買予算と実績の比較
・ 画面、出力帳票のExcel等への出力
・外注先や仕入先から商品・製品を購買先に直送するときには速やかに仕入処理（受入処理）及び売上処理を行えるようルールと体制を整えること。
・購買先から購買金額の値引き・割引を行われることは通常よく行われる。このとき、値引きを商品別に入力せず、購買先ごとに入力すると商品別粗利には値引き情報が反映されないので留意する。
・商品・製品在庫の実地棚卸差異の調査で購買管理システムに原因があると判明したら、速やかに業務処理の検討を行い、改善策を検討する。
・購買担当者が購買先と連携し、仕入単価の水増し請求を起こさせ、キックバックさせるという不正もしばしば起こるので、仕入単価をシステムであらかじめ決定するか、事後的なフォロー（前年度単価との比較など）を行うべきである。
・購買日（時）
・ 仕入先（得意先）コード
・ 納入場所
・ 仕入品目コード
・ 仕入数量
・ 仕入単価（スポット的な単価での購買時）
・ 配送運賃（有料、遠隔地への配送の場合）
・ 納品予定日、納期
・購買システム画面による購買情報照会
・月次、週次購買数量（金額）
・商品・購買先・営業担当者別購買数量（金額）
・内部仕入高（本社・支店・営業所間の取引）
・購買先（仕入先、外注先）の経営状況
・ 購買チャネル別の購買情報
・ 仮単価による購買状況と仮単価の精算状況
・仮単価の長期未精算状況
・当初設定以外での単価での購買情報
・商品・購買先・営業担当者別粗利
・納期遅れの購買情報（購買先管理のための情報）
・発注残の購買情報（生産、出荷管理のための情報）
・在庫管理システム
購買システムからの出荷・返品データを受けて在庫を更新する。
・ 生産管理システム
生産管理システムでの生産計画を受けて、購買数量・納期を決定
・ 会計システム
購買管理システムからの月別・拠点別売上データの自動仕訳による受入
・ 予算システム
購買実績データを購買管理システムから収集することにより、予算策定の基礎資料とする。
