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持分法について

今号は持分法の話です。

持分法とは

持分法は以前にも書きましたように、実務的には親会社などに20%というように意思決定を「支配」されるまではいかないけれど、「影響」は及ぼされる関連会社に対して適用されるものです。

そのため、これまで繰り返し書いてきました「連結財務諸表は合算して、修正消去して作成する」のではなく、持分法仕訳だけを起こして連結財務諸表に取り込むことになります。

つまり、持分法適用会社の資産・負債は連結財務諸表作成上、合算されません。

ここが持分法の大きな特長です。

その理由としましては、単純な言い方をしますと、20%だけ保有しているならば、他に60%保有している企業グループもあるかもしれず、その企業グループが作成する連結財務諸表において合算の対象となる可能性もあるということです。

また、連結子会社であっても重要性が高くなければ連結法ではなく、持分法の対象となることもあります。

それでは、持分法の連結財務諸表作成にからめた定義を見ておきましょう。

「持分法とは、投資会社が被投資会社の純資産及び損益のうち投資会社に帰属する部分の変動に応じて、その投資の額を連結決算日ごとに修正する方法をいう」(連結原則注解17)。

具体的にいいますと、親会社P社があり、親会社に20%の株式を所有されているA社があったとします。

当事業年度にA社が1000利益を上げたとき(同じことですがそれにより1000純資産が増加したとき)にはP社が保有するA社株式の取得価額をその持分(20%)に相当する額だけ修正します。

仕訳は次の通りです。

借方:(A社株式)200   貸方:(持分法投資損益)200

連結法と持分法の効果について

連結法と持分法とでは会計処理のしかたが異なることを説明しました。

それでは効果は異なるのでしょうか。

具体的に話を進めます。親会社P社の利益が5000、A社の利益が1000で、P社はA社の株式を20%所有しているとします。

(1)連結法

イ)まずは合算
合算しますと利益は6000となります。

ロ)少数株主への利益の振替
A社の少数株主比率は80%ですので、前号で解説しましたように次の仕訳を起こします。

借方:(少数株主損益)800   貸方:(少数株主持分)800

ハ)結果
6000-800=5200が企業グループの利益となります。

(2)持分法

イ)P社の属するA社の利益を求めます。
としますと、200(=1000×20%)

ロ)合算します。
5000+200=5200が企業グループの利益となります。

ご覧のように連結法で合算・修正をした結果と、持分法による仕訳を起こした結果は同じになります。

ここも大事なポイントです。

ですが、冒頭に説明しましたように持分法では持分法適用会社の資産や売上高を合算することはありませんので、現金預金の額や売上高が同じになるわけでありません。

あくまで純資産や利益の金額に与える影響が同じになるということです。

持分法における会計処理

持分法においては連結グループの財務諸表を合算することはしませんので、連結法では必要となる取引高の消去はありませんが、その他は連結法と同様の修正消去を行います。

それぞれの手続について記述することは今号では行いませんが、興味のある方は「持分法会計に関する実務指針」(会計制度委員会報告第9号)をご覧下さい。

ちなみに同報告の項目を一部列挙しますと次のようになります。

・はじめに
・持分法の意義
・適用の範囲
・持分法適用会社の決算日が連結決算日と異なる場合
・会計処理の原則及び手続の統一
・持分法適用会社の資産及び負債の評価
・投資と資本の差額及びその償却
・持分法損益の計算
・未実現利益の消去
・受取配当金の処理
・追加取得及び一部売却等
・債務超過に陥った場合の会計処理
・税効果会計
・在外持分法適用会社の外貨表示財務諸表の換算と連結方法
・連結剰余金計算書の表示