ROA(Return on Asset:総資産利益率)とは、企業が保有する総資産を利用してどれだけの利益を計上できたのかという資本効率を示す指標です。
ROAは次の算式で計算することができます。
=利益/総資産
=利益/売上高 × 売上高/総資産
(売上高利益率) (総資産回転率)
ROAは総資産が管理のターゲットとする業界・企業に向いています。
ROAは総資産に対応する利益であるため、総資本(他人資本と株主資本)の構成割合によって率が左右されない利益を選択するのが妥当です。そのため、分子の利益は支払利息前控除前経常利益が妥当といえます。
ROAは総資産の投資効率ですので、総資本の調達コスト(資本コスト)を上回らなければなりません。
R
ROAの特徴としては次のものが挙げられます。
(1)事業部以下の組織でも貸借対照表の借方合計か貸方合計がわかれば適用できる。
(2)他人資本(借入金等)を増やしても比率に影響されない。
(3)ROEから財務レバレッジを外したのがROA。
(4)ROAの向上がキャッシュフローの増大に結びつく。
例:売掛金や棚卸資産の圧縮 →キャッシュフローの増大
(5)滞留売掛金、不良在庫、持合株式、遊休不動産等があればROAは悪化する。
ROAを高めるには次の方法があります。
(1)収益性を高める。
(2)資産の効率性を高める。
(3)負債を減少する。
(4)配当や自己株式取得を増加させる(株主資本の減少)。