データ分析の結果、わかること、できることを書いてみましょう。
(1)傾向(トレンド)・異常値(例外値)
・A商品の売上は上がっている、下がっている
⇒その分析を受けて、商品仕入量を増やすあるいは減らす
・トレンドを追い続けることで異常値がわかる
⇒異常値がよい意味での異常値ならば、再現性がないか施策を検討する
(2)差異
・目標(計画)と実態との差を知る
⇒差異の原因分析により、事業の将来性の予測が精緻になる
⇒差異の分析結果、それが構造的な差異であれば事業の撤退を検討する
(3)比較値
・比較対象は
①自社のA商品の売上高と、競争企業のA商品の売上高
⇒自社に足りない競争要因を分析する
②自社のA商品とB商品の売上高
⇒今後の事業展開における経営資源配分の方向性が決められる
③予算と実績比較
(4)構成割合
・B/S上の有利子負債と自己資本の金額の構成比を比較する
⇒有利子負債を減らし、安全性を高めるという方向性がわかる
・A事業とB事業の全社に占める売上高、利益の構成割合を把握する
⇒事業特性と将来の展望に基づき、事業ポートフォリオの再構築ができる
(5)データのばらつき
・A商品の売上高のばらつきが大きい
⇒何が不確実性(リスク)をもたらしているのかを分析する
⇒イベント、広告、時間帯など
・顧客売上高のばらつきが大きい
⇒顧客をいくつかのグループに分解することで、ばらつきの少ない複数グループにできるかどうか検討する
⇒顧客グループの同質性が高まり、DM等のインパクトが高くなる
・社員ごとの残業時間のばらつきが大きい
⇒社員ごとの業務の見直しを検討し、負荷分散を検討する
(6)因果関係
・広告宣伝の効果と、売上高の増加の影響度を知る
⇒影響度の大きさにより、広告費の予算、広告媒体の選択を行う
(7)法則性を発見
・A商品とB商品は同時に売れることが多い
⇒A商品とB商品の並べて売る(例:ビールとおむつ
・A商品が売れればB商品がやがて売れていく
⇒両者の関連性、A商品が提供するニーズ価値とB商品が提供するニーズ価値との関連性を検討し、再現できるようにする
・顧客Aが購入すると、そこから商品Bの売上が増えていく
⇒顧客Aの購買動向をチェックし、トレンドを予測し、品揃えを充実させる