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経営分析 総論

経営分析とは

(1)経営分析について
 企業の状況を様々な角度から分析することにより、企業の収益性・効率性・安全性・成長性等を判断し、企業の問題点を発見し、その問題点を改善するために行うのが経営分析です。

(2)経営分析の手法
 経営分析の手法は次のような視点からいくつかに分類することができます。
 ①実数分析と比率分析
  前年度と今年度の売上高の差額のような金額等で分析するのが実数分析です。一方、売上高営業利益率のように数値どうしの割合で分析するのが比率分析です。

比率分析はさらに構成比率分析(流動資産比率等)、関係比率分析(資本利益率等)、趨勢分析(指数分析)に分類することができます。

 ②定量分析と定性分析
  金額や物量等のような数値に基づいて分析するのが定量分析、事実情報や感覚的 
  な表現による情報(例:「多い」「少ない」等)が定性的情報といえます。

(3)経営分析の手法
 ①収益性分析
 ②効率性分析
 ③安全性分析
 ④生産性分析
 ⑤成長性分析
 ⑥損益分岐点分析
 ⑦キャッシュフロー分析

経営分析の進め方

 経営分析を行う場合、いきなり分析指標を片端から計算してもなかなか企業の実像は見えてきません。そのため、特に初めのうちは次のような分野ごとに区切って分析をし、その結果から仮説やストーリー作りをすることをお勧めします。
 ・事業の業績(利益、キャッシュフロー)の状況
 ・資金の状況
 ・設備投資(事業投資)の状況
 ・金融投資の状況
 ・人の状況

 それぞれの分野ごとの分析ポイントは次のようになります。
(1)事業の業績(利益、キャッシュフロー)の状況
 ・中期経営計画で掲げた数字目標は達成しつつあるか
 ・事業の利益は増加傾向にあるか
 ・売上総利益率や営業利益率に大きな変化はあるか
 ・営業キャッシュフローは増加傾向にあるか
 ・既存市場と新規市場、それぞれの利益への寄与度合いはどうか
 ・製品等のブランド価値は増しているか
 ・主要製品の市場シェアの推移はどうなっているか
 ・主要製品の販売価格の推移はどうなっているか
 ・株価の推移はどうか
・研究開発はどのような分野にどれくらい行っているのか

(2)資金の状況
 ・キャッシュフローは増加傾向にあるか
 ・最近数年間に多額の資金調達を行っているか
 ・負債と資本の割合に大きな変化はあるか
 ・資金調達コストに大きな変化はあるか
 ・配当や自己株の取得状況はどうか
 ・在庫残高は売上高の増加傾向と一致しているか
 ・売上債権残高は売上高の増加傾向と一致しているか

(3)設備投資(事業投資)の状況
 ・最近数年間に多額の設備投資を行っているか
 ・その設備投資の目的は何か
 ・設備投資資金はどのような資金から捻出しているか
 ・設備は老朽化、陳腐化していないか
 ・修繕費は多くなっているか
 ・必要な設備投資は行われているか
 ・海外進出の状況はどうか

(4)金融投資の状況
 ・どのような金融投資を行っているか
 ・利回りはどの程度か
 ・最近にM&Aなどを行っているか

(5)人の状況
 ・生産規模や利益水準と比較して従業員数は妥当か
 ・1人あたり利益や労働分配率は同業他社と比較し妥当か
 ・従業員数の年齢構成はどうなっているか
 ・平均勤務年数はどうなっているのか
 ・早期退職制度などを行っているか

(6)その他
 ・多額の特別損益が計上されていないか
 ・その特別損益は翌期以降、財務諸表にどのような影響があるか
 ・この企業のリスク要因と、最も大きなリスクは何か

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