従来のDCFの計算では販売数量は15,000個であるとか、社員数は80人であるというように一つの確定した数値をもとに行っています(1点読み)。また、複数シナリオ法を用いてもせいぜい販売数量については12,000個、15,000個、18,000個というように3つの数値しか利用していません(3点読み)。
それに対してモンテカルロシミュレーションでは例えば販売数量は10,000個から18,000個まで、15,000を頂点とした三角分布で予測できるというように想定します。
そうして、そうした複数の独立変数(例:販売数量、販売価格、原価率など)を乱数を発生させることにより、最大値から最小値の幅で発生させ、例えば1000回、あるいは1万回パターン発生させ、目的変数(NPV)がどのような確率分布で発生するかを表します。
なお、販売数量が一様分布なのか、三角分布なのかは過去の新製品の販売状況や競合他社の類似製品の販売数量から把握すればいいでしょう。
ただし、独立変数の最大値及び最小値の設定、および分布パターンの設定は現実では難しいことがほとんどですので、過度にモンテカルロシミュレーションに依存するのは避けるべきかもしれません。