【ICタグ】
ICチップを埋め込んだタグ(札)。従来は商品の検品などは商品タグにつけられたバーコードをバーコードリーダーで読み込んでいましたが、ICタグを用いるとICタグが付けられた商品が移動すると、そのデータをコントローラとの間で自動的に送受信することができますので、人手は要らなくなります。また、商品が動けばデータが自動的に送信されることを応用すれば顧客が商品を実際に手に取ってみたが購入に至らなかったデータなども蓄積できるなど、様々な応用が期待されており、注目を集めている技術といえます。
【ITコーディネータ】
主として中堅・中小企業の経営者の立場に立ち、経営とITとを橋渡しして、真に経営に役立つIT投資を推進・支援するプロフェッショナル。 つまり、経営には精通している経営者とITスキルには精通しているITベンダーとの両者の間に入り、経営に貢献する最適で過不足のない情報システムを構築を支援することを狙いとするものです。
そのため、ITコーディネータには経営コンサルタント、ITコンサルタントのスキルに加え、コミニュケーション・スキルなどが要求されます。ITコーディネータ制度は2001年10月から認定者の生まれた新しい制度ですが、この制度が定着し、社会に貢献できるようになるためには、ITコーディネータ個人の努力や連携は当然のことながら、ITコーディネータ協会が行う制度活性化の基盤作りも重要な役割を果たすものと考えられます。
【アウトソーシング】
業務の一部を外部の専門業者に委託すること。自社の業務を営むより、専門分野に特化する外部業者任せた方がコストが安くなるというメリットからよく利用されています。代表的なのものは給与計算業務などがあり、近年はネットワーク技術の複雑さなどを背景に情報システムの運用でアウトソーシングを利用する企業も増えています。また、外為法改正(1998年)により外貨のネッティング(一定期間の相殺後の決済)を行えるようになったことから、企業グループで経理処理の専門子会社を設立することがありますが、これもアウトソーシングの一つと考えられます(シェアードサービスの方が正しいのかもしれません)。さらに、サーバーやソフトをレンタルして利用するASPもアウトソーシングといってもいいでしょう。
競争が日増しに激化する現代においては、自社の経営資源は付加価値を生み出すコア業務に集中投下し、付加価値がつかない・標準化できる業務は外部の専門業者に任せてしまうという傾向は今後も続くと思われます。
ただし、あまりお任せ意識が強くなりますと、知らない間に高いコストが発生しているということにもなりかねませんので、定期的に契約内容等を見直す必要があります。
類語:シェアードサービス
【委員会等設置会社】
取締役会のなかに社外取締役が過半数を占める3つの委員会(指名・監査・報酬)ならびに取締役会で意思決定した事項を執行する役割を担う執行役を設置するという会社機関を選択した会社。委員会等設置会社の目的は業務の意思決定と執行機関を分離し、社外取締役の比重を重たくすることで経営の透明性を高め、コーポレートガバナンス(企業統治)を徹底することにあります。
ただ、自社の業務内容のことが理解できる社外取締役を任命できるかなどの問題もあり、委員会等設置会社を選択する会社はニューヨーク証券取引所に上場している企業を中心に約30社ほどといわれています(2003/3現在)。
つまり、エンロン事件を端緒に設定された企業改革法が影響しているということです。
なお、委員会等設置会社を選択できる会社は商法特例法上の大会社(商法監査を義務づけられている会社)と、みなし大会社(資本金1億円超で会計監査人の監査を受けることにした会社)となっています。
【ERPパッケージ】
従来のシステム開発は販売管理、在庫管理、生産管理などそれぞれ独立のシステムとして構築されてきました。ERP(Enterprise Resource
Planning)パッケージはそうした個別のシステムの集まりではなく、全社的な経営資源の利用を一括してリアルタイムに把握するための統合的な一つのシステムということができます。つまり、ERPパッケージでは販売管理、在庫管理、生産管理、会計管理などのシステムがシームレスに連携していますので、例えば販売管理でデータが入力されますと、リアルタイムで関係する各システムにデータが流れて、データ更新をしていきます。
そうした機能を持つため、ERPパッケージは大規模なシステムとなり、導入にも周到な準備と多額の予算とが必要とされます。また、業務処理の仕組みにつきましても整流化が求められますのでERPパッケージ導入に際してはBPRなどの業務改革を行い、業務処理を整備しておくことが要求されます。
【EVA(経済的付加価値)】
企業が事業活動によりどれだけ付加価値を生み出したかを示す指標(金額ベース)。税引き後営業利益から資本コストを控除して計算します。なお、EVAはスタンスチュワート社
(アメリカ)の登録商標となっています。
【WBT(ウエブ・ベースト・トレーニング)】
従来は集合形式で行われることが多かった研修・教育などをインターネット上で行えるようにしたもの。WBTを利用することにより、個人ベースで受講できるため、学習の場所を選ばず、各自の都合のいい時間帯に、自分のペースで学習できるというメリットがあります。
集合研修ですと、受講者個人それぞれで理解不足な点がでてもそれきりになってしまうことが多いですが、個人ごとのペースで学習すればいいため、学習効果も集合研修よりも高くなると期待されています。
また、どの社員がどんな授業を受講したのか、チェックテストは合格点をとっているかなどを企業側が把握することにより、人事評価にも有効な情報を提供してくれます。
類語:eラーニング
【売掛債権担保融資制度】
売掛債権を担保に信用保証協会が保証をして金融機関が融資をする制度。信用保証協会の保証は売掛債権の90%(上限1億円)となっています。2002年9月末までにおよそ1200億円の融資が実行されたといわれています。
【ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)】
企業が情報システムを構築する場合、通常は自社独自のアプリケーション(ソフトウエア)を構築するか市販のパッケージソフトを購入するかどちらかですが、いずれにしても資金が数百万円から数千万円と必要となります。また、構築するとなると時間がかかります。
そこで、アプリケーションを所有してもらうのではなく、レンタルすることで安価でスピーディーにアプリケーションを提供する事業者が現れてきました。それがASPです。
レンタルするというのは具体的にはASP事業者のサーバーにあるアプリケーションにインターネット等のネットワークを通じてアクセスし、利用するというものです。そのため、アプリケーションを利用していてここはこうカスタマイズして欲しい利用者が考えても対応はできません。安価
で迅速な導入ができるけど痒いところまでは手が届かないと言えます。
成長スピードが速く、事業規模やビジネススタイルが確定していない企業にとっては情報システムによって事業規模などが制約されることは本末転倒ですから、成長ステージごとに評価の高いASPサービスを入れ替えながら利用していくというやり方もあるかもしれません。
ASPではグループウエアがその業務がほぼ定型化されていることから多くのASPサービスが提供されています。
【ABC(エイ・ビー・シー)分析】(注:活動基準原価計算のABCではありません)
ABC分析とは、例えば商品の売上高などAランク(非常に売れる商品)、Bランク(まあよく売れる商品)、Cランク(あまり売れない商品)に分類することにより、商品ごとの重要性を把握します。
その上で売れ筋商品は品切れを起こさないように購買量を増やし、死に筋商品は廃棄ロスが起きないように購買量を減らすなどの施策をとるための分析手法です。
実際に商品のABC分析をするときはPOSデータをもとにすることが多いと思いますが、POSデータはそのままでは活用できないことに留意する必要があります。つまり、在庫がなければ販売量も増えない、セールスで値引き販売すれば販売量が増えるのは当然のことで、POSデータのみから○○商品は売れ筋、△△商品は死に筋と判断するのは早計となってしまうということです。
【SBU(戦略事業単位)】
戦略を策定する事業単位のこと。多くの場合にはSBUは事業部門と考えられるケースが多いと思われます。つまり、戦略を策定することは独自の市場や顧客を有していることが前提となるからです。
なお、SBUはコンサルティング会社のBCG(ボストン・コンサルティング・グループ)が提唱した概念です。
【EDINET】
EDINET(Electronic Disclosure for Investors' NETwork)とは、「証券取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム」のことです。
これまでは株式上場企業が企業業績をまとめた書類として有価証券報告書がありましたが、2004年6月以後金融庁に提出される有価証券報告書のような開示書類はEDINETによりインターネット上で開示されることになります。従来の紙ベースの有価証券報告書はなくなるわけではなく、当分の間発行されます。
EDINETによる情報開示により、投資家などは自宅にいながらにして無料で関心のある企業の有価証券報告書を閲覧できます。現在ではEDINETから有価証券報告書をすべて印刷するのにはかなり不便ですが、キーワード検索を使い、例えば子会社株式評価損を計上した上場企業を横断的に検索するなどといった便利な使い方ができます。
【MBO(マネジメント・バイ・アウト)】
現経営陣が会社の特定の事業部門を会社や親会社から買い取って経営権を取得すること。買い取りにあたっては資金的な問題からベンチャーキャピタルやファンド、金融機関が加わることが多いといえます。また、経営陣だけでなく従業員も参加することもあります。
MBOは事業内容を知り尽くした経営陣による買収であるため、買収する経営陣にとってみれば事業リスクや簿外債務も少なく、雇用の継続もはかられるというメリットがあります。また、売却する会社側からみれば会社のコア事業でない事業なら売却した方が連結ベースの指標が向上するといった企業再編の一環として位置づけられると点をあげることができます。
2002年の国内MBOの件数はレフコ(M&A仲介会社、東京千代田区)の調査によりますと42件で前年に比して3割増えているということです。
【オープンブック・マネジメント】
企業の財務諸表や経営数値を社員に開示し、経営の透明性を高めることで社員のモラールを高めようとする経営手法のこと。ブックとは帳簿を意味します。ちなみに簿記は英語で「book
keeping」といいます。
【外形標準課税】
企業が都道府県に納付する法人事業税について、従来の所得をもとに課税するのではなく、人件費や資本金などの基準(外形標準)に基づいて課税しようとするもの。いうまでもなく、人件費や資本金などは所得と違いマイナスにならないので、確実に税金が発生します。
地方税法の改正により2004年4月1日以後に開始する事業年度から資本金1億円超の法人に対して外形標準課税制度が導入されることになりました。その結果、所得割
が7.2%、付加価値割が付加価値に対して0.48%、ならびに資本割が資本等に対して0.2%(いずれも標準税率ベース)になりました(現行の事業税率は9.6%)。
【会社分割】
会社の営業の一部または全部を他の会社に承継させることにより会社を分割すること。分割する際に新たに会社を設立し、新会社に営業を承継させるのを「新設分割」、既存の会社に承継させるのを「吸収分割」といいます。
また、営業を継承する会社が分割に際して発行する株式を分割をする会社に割り当てるのを「分社型分割」といい、分割会社の株主に割り当てるのを「分割型分割」といいます。
会社分割は上記の2つの組み合わせにより4つのパターンに分類することになります。
【確定決算主義】
税務申告書は決算後に行われる株主総会によって承認された(確定した)決算書に基づいて作成されなければならないとするもの。そのため、税務上会社が行った会計処理が否認されないためには、会社が株主総会で承認を得る決算書において税務規定を遵守することが求められます。
税法が確定決算主義を要求しているため、経理実務では税法が強い影響力を持っています。
【関係法人株式】
他の内国法人の発行済株式総数の25%以上を配当の確定日(通常は株式総会の日)以前から6ヶ月以上保有している場合の株式や出資。税法用語で以前は特定株式と表記されていました。
受取配当金の益金不算入の計算において使用される概念です。
【期日現金】
売上代金の支払いを手形で行っていると手形発行事務、手形用紙の管理、また印紙税の負担が生じます。そこで、手形を発行しませんが手形を発行したと同じ効果を持たせ、あらかじめ定めた期日に売上代金を支払うことを約する支払方法を期日現金または期日一括払いなどといいます。
【企業結合会計】
合併や株式交換などの企業結合を法的形式の違いにとらわれず包括的に対象とする会計のこと。実務上、合併はほとんど対等合併で持分プーリング法をベースに会計処理を行ってきました。ですが、企業結合会計の制定により結合後の議決権の比率が50:50の上下概ね5%以内の企業結合以外は、パーチェス法により取得した資産・負債は時価で評価することとされました。
つまり、結合後の議決権比率が60:40のようなケースでは、従前のような「対等合併」の処理はできなくなったということです。
企業結合会計基準は平成18年4月1日以降開始する事業年度から適用されます。
【キャッシュフロー計算書】
企業は利益が出なくても即倒産にはなりませんが、キャッシュがないと倒産してしまいます。「黒字倒産」という言葉がありますが、黒字倒産とは売掛金が大きく増え、かつ、売掛金の回収期間が買掛金の支払期間に比べて長いときに起こりやすくなります。
黒字倒産の可能性は貸借対照表と損益計算書の両方を分析すればわかりますが、特に損益計算書だけ見ていてもわかりにくいものです。逆に利益が大きく増加して成長力のある企業と誤解しやすくなってしまいます。
キャッシュフロー計算書は利益ではなく、キャッシュの増減を営業・投資・財務活動という活動別に表示することで、企業が活動別にどれだけのキャッシュを生み出し、また費やしたのかを明確にしれくれます。
黒字倒産の例も、売掛金が大幅に増えたために営業キャッシュフローが大幅のマイナスになり、金融機関からの借入で財務キャッシュフローをプラスにしたが、それでも足りず、トータルのキャッシュフローがマイナスとなったために起きた、ということがキャッシュフロー計算書をみれば理解できます。
【金庫株】
金庫に入れていつまでも保有したり、好きなときに処分できるというように自己株式の保有と処分が原則自由になりました。従前は自己株式の保有を自由に認めると株価操縦、インサイダー取引、株主平等の原則へ好ましくない影響を与えるおそれがあり
、例外的に認められるにとどまっていました。しかしながら、株式持ち合い解消の売りへの対抗、株式交換など企業再編のための使用、敵対的買収からの防御など産業界からの現代的な要請が強かったため、商法が改正され平成13年10月から金庫株が解禁となりました。
このような自己株式取得が原則自由となったことから、証券取引法では投資家保護の観点から上場企業に対し従前は3ヶ月ごとの「自己株式買付状況報告書」提出を1ヶ月ごとの提出とするなど、ディスクロージャー制度の強化を図っています。
【グリーンシート市場】
日本証券業協会が主催する株式未公開企業の株式の売買市場。売上高が1億円に満たない企業や赤字企業でもグリーンシート市場に登録することができ、公募により資金調達をすることが可能となります。
資金調達金額は1億円ぐらいが多く、グリーンシート市場に登録し、増資を行うには一般的に約700万円程度のコストがかかるといわれています。金額だけをみると決して安くはない金額ですが、1億円に対する7%のコストであり、グリーンシート市場登録での金融機関等からの信用力アップなどを考えますと挑戦してみる価値はあるかもしれません。
なお、証券会社による審査や監査法人等による監査が必要となり、事務負担が増加します。2002年2月に公認会計士監査の対象期間が1年と短縮されたことから、新規登録社数が増加し、秋頃には総登録社数が40社に近くなると予測されています。
【グループウエア】
社内での情報共有を促進し、グループの協同作業を効率化するための情報技術。電子メール、掲示板、電子会議室、日程表の共有などがネットワーク上で行うことができます。最近では自前でパッケージやサーバーを準備しなくてもASPによるレンタルサービスも多くなっており、手軽に安価で導入することができるようになっています。
【計算書類公告の電子化】
従来から商法の規定では計算書類(商法上の決算書類の呼び方)またはその要旨を官報や日経新聞などの新聞で公告するものとされていました。毎年6月末の日経新聞に多数の会社が貸借対照表などを掲載されてくるのを覚えている方も多くおられると思いますが、あれが計算書類の公告です。
しかしながら、それなりの費用などもかかることから公告制度は株式上場会社を除けばあまり機能してきませんでした。そこで、高度情報化社会の要求に対応する形でインターネットのホームページ上などで自社の計算書類を公告できるように商法が改正されました。なお、そのためには取締役会の決議及び株主総会の承認が必要となります(商法283条1・5項)。
また、開示後5年間は公告内容を閲覧できるようにしなければなりません。
この商法改正により株式を上場していない中小企業でも自社の計算書類を公開し、IR活動のような広報活動を行おうとする企業が増えてくるかもしれません。特に金融機関からの中小企業への貸出が伸び悩んでいる今日の状況では、借入によらない資金調達(私募債、少人数私募債、グリーンシートなど)を模索している企業が増えていますから。
【KJ(ケージェー)法】
問題分析手法の一つ。KJ法の進め方は次のようになります。まず、テーマを設定し、ブレーンストーミングなどにより様々な意見・事実・アイデアなどを参加者に発言してもらいます。発言が出つくしたところで発言の1つ一つをポストイットなどを用いてカード化します。そして、そのカードをその共通性にもとづいてグループ化します。グループがいくつからできましたら、各グループごとにその共通性を表すキーワードを付します。その作業を繰り返し、最終的な課題を導き出していくというものです。参加者の考え方の整理や体系化には向いており、よく使われている手法です。
ただし、ともすればモレが生じることがありますので、できあがった最終的な課題から逆にブレークダウンし、モレがないかどうかを検証するといいでしょう。
なお、KJ法については書籍も何冊か出版されていますし、パソコンで行えるようにしたソフトが(株)アイテックから発売されていますので参考にされるといいと思います。
【減損会計】
固定資産の売却価額もしくは固定資産の生み出す将来キャッシュフロー(処分価額も含みます)が帳簿価額より大幅に低下したときに、帳簿価額を減額させる会計処理方法。上場会社には平成17年4月1日以降に開始される事業年度から適用義務が生じます。減損会計は帳簿価額を増額させるものでないため、その点で時価主義とは異なります。
今年(平成15年)の秋頃に減損会計の具体的な適用指針が公表される予定となっています。
実務上、問題となりそうな論点としまして減損の判定の単位となる固定資産のグルーピングをどのように決定すればいいかということがあります。グルーピングの単位を大きくすればグループ内で帳簿価額の減額と増額が相殺されることが多くなり、企業全体としてみれば減損額はグルーピングの単位を小さくした場合と比較して少ない数値となるからです。
また、減損会計適用による固定資産帳簿価額の減額が法人税法で認められる固定資産評価損の要件を充たす領域はかなり狭いものとなります。そのため、ますます会計と税法の乖離が広がると考えられます。
【ゴーイング・コンサーン情報】
ゴーイング・コンサーンとは、継続企業のことです。継続企業といってもピンと来ませんが、逆にして企業の継続性と考えてください。
通常の企業の決算書はその企業が来期も存続する(継続する)という前提で作成されています。その一例が棚卸資産を実際に要したコストで計上するというものです(取得原価主義)。ここで、もし企業が来期は存続せず、今期でおしまいとしたら、棚卸資産は販売したら回収できる金額で評価することになります。要するに、今期でおしまいですから「店を閉めて出資者などにお金を返す」必要から、現金にしたらいくらになるかが重要な情報となるわけです(清算価値)。
以上のように、通常の決算書が意味を持つのはあくまでその企業が来期も継続することに疑義やその前提を疑わせる事象が起きていないことが必須となります。そこで、もし、継続企業の前提を疑わせるような疑義などが上場企業において認められる場合には財務諸表並びに監査報告書で情報開示することになりました。これがゴーイング・コンサーン情報といわれるものです。
開示は平成15年3月1日以降に終了する事業年度から行います。
【コードの統一】
コードとは製品、取引先などを分別するための記号。製品や取引先の他には、会計の勘定科目コードというものもあります。
製品コード(他のコードも同じですが)は一つの製品に対して固有のコード番号が付されているのが当然と考えられますが、現在要求されている連結経営・グループ経営の観点から俯瞰しますと、関係会社間で同じ製品に対して異なるコードを付番していることは少なくありません。そのため、グループ間でSCM(サプライ・チェーン・マネジメント)を展開し、在庫を最小化しようとしても銀行預金のように「名寄せ」をしなければ在庫状況がつかめません。
また、そこまで話を広げなくても入庫即出庫の商品だから商品コードは「999」でいいやと出庫処理をして、やがてその商品が返品されてきて、また、その他の事情で異なったいくつも商品が「999」という商品コードを持っているということもあります。
当然ながら、現実の在庫量が把握できなければ購買管理にも影響を与え、大量の在庫を抱えたりあるいは品切れでオーダーは入っているのに出荷できないという、企業にとっては致命的な状況にいたってしまいます。
【顧客への提供価値(バリュー・プロボジション)】
企業が競争に打ち勝っていくためにはその企業独自の価値を顧客に対して提供しなければなりません。顧客に対して提供すべき価値としては次の3つのパターンがあるとされています。
(1)製品・サービスの価格、機能、品質、納期などを生み出す業務プロセスの優位性
(2)顧客1人一人への継続的な個別サービス提供による親密性
(3)新規製品の提供
(1)の「業務プロセスの優位性」の例としてはアスクル(文房具等販売)、デルコンピュータなどがあげられます。アスクルは大量多種の注文を早ければ当日中に配送まで完了してしまう業務システムと情報システムが強みといえます。
(2)の「継続的な個別サービス提供による親密性」の例としては宝石店や百貨店の外商のようなサービスが思い浮かびます。顧客1人一人の趣味、嗜好、ニーズなどを知り尽くしていわば「個客」サービスを提供するのが強みです。
(3)の「新規製品の提供」はソニーが真っ先に上げられるでしょう。他社に先駆けた新製品(例えばトランジスタラジオ、WALK−MANなど)を開発・発売することによって圧倒的なブランドを築き上げています。
【コミニュティ・クレジット】
コミュニティ・クレジットとは、「日本政策投資銀行が提案する金融手法で、地域社会において互いに信頼関係にある企業等が、相互協力を目的に資金を拠出し合い連携することで、(構成員の個々の信用より)高い信用を創造し、金融機関からの資金調達を円滑化するとともに、地域の資金を地域に環流させるものです。相互に豊富な情報を有する地域企業間の信用に依拠し、プロジェクトファイナンス等で用いられる新しい金融技術(仕組み金融、契約技術、デューデリジェンス等)を組み込んだものです」(日本政策投資銀行のHPより)。
事例としましては、日本政策投資銀行及びみなと銀行(神戸市)が、日本トラストファンド株式会社(本社:神戸市、宮下敬正社長、資本金20百万円)を中心とした震災被災企業等15社からなるコミュニティに対し、コミュニティ・クレジット(後述)による協調融資を決定したものがあります(2001年11月)。
【債務の株式化】
経営が悪化している企業を救済するために金融機関等がその貸出債権(企業からみれば借入金)を株式(企業からみれば資本金)に転換すること。デット・エクイティー・スワップ
(DES)とも呼ばれます(正確に言いますと債務の株式化はDESの手法の一つです)。金融機関等は貸出から出資となることで企業が倒産してしまえば株式価値はゼロとなりますが、企業が再生すれば株式価値が上昇することによるメリットを享受することができます。
金融機関等が債権放棄より債務の株式化を選択するポイントは、当該企業の本業の収益性、その他有力なスポンサー・投資家や優秀な「企業再生請負人」が得られるかどうかという点です。
【CSF】
CSF(クリティカル・サクセス・ファクター)とは策定した戦略を達成するための重要な課題のこと。重要成功要因と言われている。
【資金集中管理】
社内の各組織(本社・支店・営業所・店舗)や企業グループ各社(親会社・子会社・関連会社)に分散している銀行預金を取引銀行を通じて、グループ全体の資金が効率的に運用できるようコントロールすること。具体的には支店等の資金を一定残高を超える金額を本社に振り替える、本社から各月初には支店等の預金残高が一定残高となるよう支店等への振替を行う、また、グループ会社間の債権債務をネットして差額のみの決済とするなどの運用方法があります。
類語:CMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)、EB(エレクトロニック・バンキング)
【資産の流動化】
売掛金、有価証券、土地など貸借対照表に計上されている資産を売却などによりオフバランス化させること。資産の流動化は企業の関心が高いテーマですが、その理由としては資産圧縮によりROA(総資産利益率)やROE(自己資本利益率)が向上できること、また、資産が持つリスクを回避できることがあげられます。
資産が持つリスクとは売掛金であれば得意先の倒産リスク、有価証券・土地であれば時価の下落リスクが代表的なところです。特にデフレが続く現在では資産の劣化が激しいため、資産を持つことのリスクが大きくなっています。
【資産の証券化】
資産を流動化させ、資金調達を行う過程で有価証券を投資家に販売する手法。資産の証券化は資産の流動化に含まれるものと考えればよいでしょう。
不動産のように高額の物件を流動化しようとする場合、そのままでは投資家が手を出しにくいところがあります。そのために不動産の受益権を有価証券として小口に分散することで投資家から資金を集めやすくできることになります。
【執行役】
平成15年4月より施行される委員会等設置会社において取締役会の意思決定に基づき、業務執行を行う会社の機関。日常的な業務執行につきましては取締役会の意思決定を経ることなく、執行役が業務執行を行うことができます。なお、従来の執行役員はあくまで会社の使用人という位置づけで会社の機関ではないため、執行役と執行役員とは内容が異なります。
取締役(会)と執行役とは会社の業務執行の意思決定とその実行とを明確に区分することに制度が設けられたものですが、取締役と執行役とを兼任することも可能です。そのため、執行役制度が実務上機能するかどうかは会社の運用次第となるといえます。
【四半期決算】
おおむね3ヶ月ごとに決算をし、業績情報の開示を行うもの。東京証券取引所と金融庁は東証1,2部に上場している企業に対して、早ければ2004年4-6月期から四半期決算を義務づける予定。詳細は(財)財務会計基準機構や日本公認会計士協会などがそれぞれ今後協議を行って決めていくことなると考えられます。
四半期の企業業績が投資家に開示されれば企業実態とその認識のずれのタイムラグは短くなりますが、季節変動の激しい企業のように第一四半期の実績が第二・第三四半期あるいは通期の業績予想に直結しない場合は開示情報の判断が難しいといえます。
また、東証マザーズに上場している企業は既に四半期決算の開示が義務づけられています。
【重要財産委員会】
取締役会からの委任を受けて「重要な財産の処分及び譲受」と「多額の借財」についての意思決定を行う会社の機関。端的に言いますと、従来からの常務会を会社の機関として商法が法制度化したものということができます。
重要財産委員会を設置できる会社は商法特例法上の大会社(商法監査を義務づけられている会社)と、みなし大会社(資本金1億円超
、5億円未満で会計監査人の監査を受けることを選択した会社)です。
また、重要財産委員会を設置できる要件は取締役の数が10人以上で、かつ、社外取締役が1人以上いることとなっています。
【消化仕入】
商品等が納品されたときに仕入計上するのではなく、その商品等を使用・費消したときに仕入を計上する方法。昔からある富山の薬売りをイメージすればいいでしょう。つまり、頭痛・風邪・胃の痛みなどのいくつもの薬を箱に入れて家庭に置き、実際に使用したときに使用分を請求するというものです。
現在では製造業の部品仕入や百貨店などで消化仕入が行われていることがあるようです。
【商品の価格弾力性】
商品の価格弾力性とは、商品の価格を増減させたとき販売量がどれくらい増減するかの割合です。商品の価格の変化に対して販売量が大きく変化するとき、価格弾力性は高いといいます。
自社の商品や商品群に対する価格弾力性をおおよそ把握しておくことは重要なことです。自社にとって価格弾力性が低い商品をライバル企業が値下げ販売して販売量を伸ばしているからといって、それに追随すれば販売量は伸びず、利益が減少する結果に終わってしまいます。
換言すれば、価格弾力性が低い商品とは価格に購買行動が左右されにくい、指名買いによる購入が多いということになりますので、販売価格を1〜2割下げても訴求ポイントにはならないということです。
【新株予約権】
新株の発行を優先的に受けられる権利。従来は新株引受権と称されていたが、平成13年商法改正により新株引受権となりました。また、新株引受権はストックオプションとしての付与と新株引受権付社債での付与しか認められていませんでしたが、新株予約権はそれ自体の発行が認められています。
【信託】
委託者が受託者(信託銀行)に財産の所有権(所有・管理・処分する権利)を移転し、受託者が委託者やその他の受益者のために、一定の信託目的に従い信託財産を運用するもの。信託は会計では退職給付信託や資産の流動化・証券化、ならびに相続などで登場してきます。
【信用取引】
有価証券の売買を行うときに、その売買に必要な資金または有価証券を証券会社から借り入れて行う取引。信用取引を利用すれば証券会社から株式を借りて、市場で売るというように「売り」から取引を行うことも可能となります。つまり、市況の悪化を予想し、実際に市況が悪化して、株価が下がれば下がった株価で同じ株式を買い取り、証券会社に株式を返せば利ざやが稼げるということです。
【SWOT分析】
経営戦略を策定するプロセスで一般的によく使われる手法で、Strength(強み)・Weakness(弱み)・Opportunity(機会)・Threat(脅威)のそれぞれの頭文字をとったものです。
自社の外部環境を観察して自社にとっての収益「機会」と、自社の存亡に係わる「脅威」を把握します。一方、自社の内部環境をつぶさに見て自社の「強み」(コアコンピタンス)と「弱み」を把握します。そして、この「強み」・「弱み」・「機会」・「脅威」の4つの要因から「収益機会はこれがあるから、この強みをさらに強化しよう」、「将来、環境変化がこうした脅威をもたらすから、この弱みを克服しなければ我が社の存立は危うい」、「強みを強化するのか、弱みを補強するのか、どちらに重点を置いた資源配分をすればいいのか」などを検討していきます。
このようにSWOT分析は経営戦略策定の初期の段階で企業の方向性を決定する指針を与えてくれますし、分析を通して社員が自社の環境に対して共通認識を持てるようになり、
また、社員間の意識のズレを少なることが期待できます。そして、その後の経営戦略策定作業がスムーズに行くという効果をもたらします。
【税効果会計】
企業が決算で作成する損益計算書は売上高から税引前利益までは「会計の世界」で作成されますが、税引前利益から法人税等の金額は「税務の世界」で計算されます。「税務の世界」の計算は申告書で行われ、損益計算書には出てきませんので、企業によって、また事業年度によって税引前利益と法人税等の金額の比率は様々となり、損益計算書だけを見た人にはわかりにくいものとなっています。
そのため、税引前利益と法人税等との関係をある程度の対応関係をつけ、その両者の関係をわかりやすいものにしようとするのが税効果会計と呼ばれる会計処理です。
税効果会計を適用した場合、会計の世界から考えてこの法人税額は当期よりも次期以降の事業年度に対応させた方がいいとなったときに、その分の法人税等の金額を損益計算書から減額して貸借対照表に繰延税金資産として計上させることになります。
また、適用ケースは少ないですが、有形固定資産を購入して圧縮記帳を行ったようなときには、税務上は法人税等は計算されませんが、会計上は法人税等を計上し、貸借対照表の負債の部に繰延税金負債を計上するというケースもあります。
なお、税効果会計を適用しようがしまいが納付する法人税等の金額は変わりませんのでご留意ください。
税効果会計は株式公開企業には適用が義務づけられていますが、未公開企業への適用は任意です。
【成熟度モデル】
企業などの組織をその業務処理能力、知識・スキルなどのレベルにより5〜6段階に分け、それぞれの段階における要件を規定し、組織がそのレベルを向上させていくための指針となるモデル。
経営の成熟度では米国のマルコム・ボルトリッジ賞(MB賞)や我が国の日本経営品質賞(JQA)などがあり、IT関連の成熟度ではCMM(ケーパビリティー・マチュリティー・モデル)やCOBIT(コントロール・オブジェクティブ・フォー・インフォメーション・アンド・リレイテッド・テクノロジー)があります。
【製造間接費】
メーカーなどの製品コストのうちで、どの製品を製造したことによって発生したコストを直接跡づけることが困難なコスト。原価計算の歴史はある意味では製造間接費の配賦(製品原価への振り分けのこと)を論議を巡って起きてきたといっても決して大げさな話ではありません。
伝統的な原価計算では製造間接費の発生と最も関連の深い指標(作業時間、機械運転時間など)で製品原価に配賦してきました。これに対して直接原価計算はいかなる配賦を行っても完全な正確性は得られないのだから製造間接費(固定費に限定されます)は製品原価に配賦するのはやめようとするものです。そのため、売上高から変動費を差し引いた限界利益が直接原価計算ではキーワードとなっています。
そして、ここ数年注目を浴びてきたABC(ActivityBasedCosting:活動基準原価計算)では製造間接費は
各費目(例:交通費、残業代など)をまず活動(注文獲得、破壊検査など)ごとにコストを集計し、次に各製品の活動の利用状況に応じて製品にコストを配賦します。ABCを利用すると製造間接費を含めたところの製造原価が精緻に把握することができますが、それだけ手間もかかるという問題があります。
【相続時精算課税制度】
65歳以上の親が20以上の子供に生前贈与した場合、贈与時に贈与財産に対する贈与税を支払い、その後の親の死亡に伴う相続時にその贈与財産と相続財産とを合計した価額を基に相続税を計算し、そこから既に納付した贈与税を差し引いて納税するという制度。
贈与時に支払う贈与税は2500万円までは非課税とされています。
この制度の趣旨は、親から子への財産の移転を早期に行えることにより、子供による財産の有効活用が行われ、経済の活性化が期待できることです。
注意していただきたいのは、この制度を利用することによって必ず将来の相続税を下げられるということではないことです。将来の相続税が下げるかどうかは子供に贈与した財産の価額が親の死亡時に上がっているか、下がっているかは予測できないためです。
【総報酬制】
従来は社会保険料(健康保険料、厚生年金保険)の料率は月給と賞与とでは異なっており、賞与の料率は月給の料率と比べかなり低いものだったが、平成15年4月より月給と賞与の料率を同一にした。そのため、決算処理で未払賞与を計上している企業では会社負担分の社会保険料が増加に対応して、未払社会保険料を計上することが求められるかもしれません。
【損益分岐点分析】
損益分岐点とは損益がゼロとなる、つまり売上高と費用が同額になるときの売上高・売上数量をいいます。実績売上高が損益分岐点分析売上高を上回っていればいるほど、売上高が減少しても損益がマイナスになりにくいことがわかります。そのため、経営の安全度を売上高からみるときに損益分岐点分析は利用され、一般的で有効性のあるツールです。
損益分岐点分析を行うときの費用は売上数量を変数とするシュミレーションを行えるようにするために「売上数量×製品1個あたり変動費+固定費」として計算します。そして、損益分岐点分析売上高を低くし、経営の安定性を強化するために(1)変動費の引き下げ、(2)固定費の引き下げという2つの視点をスタートに、費用構造の検討と費用の削減を行っていきます。
【代行返上売り】
厚生年金基金はその一部(代行部分)を国に代わり運用してきました。ですが、株式市場の悪化などから代行部分にも多額の積立不足が生じたため、不足分を穴埋めするための企業負担が重くなってきたことから、代行部分を国に返上しようとする基金が増えてきています。その返上のための資金づくりに基金が保有している株式が大量に市場に売りに出されています。これが代行返上売りと言われているものです。
代行返上売りのために優良銘柄といわれる株式が大量に売られるということが起きています。
【退職給付信託】
企業が保有する有価証券などを信託銀行に拠出し、信託契約(他益信託)を設定し、退職一時金の支給や企業年金の掛金支払を行うこと。企業が退職給付信託を利用する目的は退職給付債務を圧縮することですが、持合株式の時価変動の影響を平準化することもあげられます。
つまり、株式上場会社には金融商品会計基準が適用されますが、「基準」によりますと持合株式の時価変動は税効果部分を除き資本の部に計上されることになります。そのため、持合株式の時価が大きく変動すれば自社の資本の部も変動し、ROEなどの指標に思わぬ影響が出てしまいます。
ですが、持合株式を退職給付信託に拠出すれば時価変動部分の会計処理は金融商品会計基準から退職給付会計のルールに従うことになります。その結果、時価変動部分は比較的長期間に損益計上すればいいことになり(数理計算上の差異の処理のことです)、時価変動が企業会計に与える影響を平準化できるというわけです。
【多通貨会計】
多通貨会計とは、円、ドル、ユーロ等複数の通貨での外貨建取引を行っている場合に通貨別に取引を記録し、通貨ごとの試算表等を作成する会計手法をいいます。このように通貨ごとに記録・集計することにより、通貨別に資産・負債を把握できるため、為替リスク管理が行いやすくなります。すなわち、通貨別試算表の資産・負債の差額が為替リスクにさらされている金額となります。
なお、通常は通貨ごとに記録すると同時に基本通貨(円)に換算して基本通貨の試算表も作成されます(両重計算)。
【知的資産】
企業などが有する特許権、商標権、意匠権、ブランド、ノウハウなど企業の長期的な収益力をもたらす無形資産の総称。従来、知的資産は会計上も資産計上されず、金額的評価もされてこなかったため、あまり注目はされてきませんでしたが、中村修二氏(カリフォリニア大学サンタバーバラ校教授)と日亜化学工業(徳島県)との特許権の係争、ビジネスモデル特許やブランド価値への関心の高まりなどにより、知的資産への注目も高まっています。
そのため、企業ではこれまで取得した特許のデータベース化・休眠特許の洗い出し、特許侵害の事実の調査などを行い、特許使用収入を計画したり、あるいは社員への特許報奨制度を設けたりしています。
類語:KM(ナレッジ・マネジメント)
【中小企業組合制度】
中小規模の事業者・勤労者などが組織化し、共同購買事業、共同生産・加工事業、共
同研究開発、共同販売事業、金融事業などの共同事業を通じて、技術・情報・人材等
個々では不足する経営資源の相互補完を図るための制度です(平成15年3月現在で約49,0
00の中小企業組合が存在)。
中小企業等協同組合法の一部改正により、平成15年2月からこれまでは企業組合の組合員は個人に限られていましたが、法人や投資組合などの個人以外の者も加入が可能になり、また、従事比率、組合員比率、出資比率配当などの制限の緩和により、多様なパートナーシップ組織として、より一層活用しやすい制度になっています。
【中小企業経営革新支援法】
新商品の開発、生産、商品のあらたな生産方式を導入などの経営課題にチャレンジする中小企業が経営革新計画書を作成し、都道府県知事等の承認を得れば補助金制度や低利融資制度などの支援措置を受けることが可能とするもの。
詳細は中小企業庁のHPをご覧下さい。 http://www.chusho.meti.go.jp/chu_top.html
【中小企業倒産防止共済制度】
掛金(5千円から8万円)を毎月払い込むことにより、同共済制度に加入後6ヶ月以上経過して取引先企業が倒産した場合、売掛金や受取手形などの回収が困難となった額と、積み立てた掛金総額の10倍に相当する額のいずれか少ない額(貸付限度額3千2百万円)の貸付が受けられる中小企業総合事業団の共済制度。
共済金の貸付にあたっては担保・保証人は必要ありません。共済金の貸付は無利子ですが、貸付を受けた共済金の10分の1に相当する額が掛金総額から減額されます。また、貸付金の償還期間は5年(うち据置期間6ヶ月)の毎月均等償還です
。
詳細は中小企業総合事業団のHPをご覧下さい。 http://www.jasmec.go.jp/
【付替え計算】
株式の分割、増資、みなし配当などがあり、それまでの株式(旧株)に代えて新株(身代わり株式)が交付されるとき、新旧株式間の含み益を平均化する意味で、新株の取得価額をみなし配当や合併交付金などを反映した価額に付け替える必要が出てきます。これが付け替え計算です。
【TOC(ティー・オー・シー:制約条件の理論)】
TOC(Theory of
Constrains)は物理学者エリエフ・ゴールドラット博士(イスラエル)が提唱している理論で、企業全体の収益向上を図るためには工程・プロセスの中でボトルネック(制約条件)となっている工程などを把握して、その工程などの改善を集中的に行うという経営管理手法です。
ベストセラーになりました『ザ・ゴール』(ダイヤモンド社刊)は小説の形をとりながらTOCの考え方を説明したものです。
ボトルネックとは具体例として道路と橋を考えてみればいいでしょう。片道3車線の道路があり、その道路には橋がかかっており、その橋は片道1車線しかないとします。ここで、車の流れをスピードアップしようとして橋までの道路で歩道橋を作り、いくつかの信号をなくしたとします。その結果は橋までの移動時間は確かに短くなりますが、橋の手前で大渋滞が起き、橋を渡るまでの時間は短縮されません。また、渋滞による排気ガスというマイナスの副産物まで発生してしまいます。
つまり、この場合のボトルネックは橋の車線の少なさにあり、それを解消しない限り、他の地点でいくら工夫・改善を推し進めても、ボトルネック工程のアウトプット効率を低くする効果しか生み出すことができないということです。
【データ分析】
企業に蓄積された様々なデータを分析することにより、何らかの特性・ルールを見いだし、意思決定に役立たせようとするもの。販売データを曜日別・時間帯別に分析することで陳列商品や陳列方法(棚割など)を変えるというというのが代表例です。応用例としては「気温が30℃を超えたらどんな商品が売れるか、それは男女比ではどう違うか」などが考えられます。
また、データ先行ではなく、分析者の経験値からある消費動向に関する仮説をまず立てて、その仮説を検証するためにデータを分析するという方法もあります。
このようなデータ分析を行うためにはデータを蓄積するデータベース(より専門的にはDWH:データ・ウエア・ハウス)、データ分析ツール(OLAPツールと呼ばれます)、そして販売であれば販売属性(例:購入者年齢層、男女別、気温、天気など)を有した販売データ(販売管理システム)が必要となります。
簡易的にはMicrosoft
Excelのピボットテーブル機能を利用してデータ分析を行うことができます。また、パソコンでデータ分析を行うための統計ソフトやデータ分析用ソフトも市販されており、実売価格で5万円以下で購入できますので、それらのソフトを利用するのもいいでしょう。
類語:BI(ビジネス・インテリジェンス)
【デットIR】
デットファイナンスのためのIR(インベスター・リレーションズ)。IRと言いますと通常は投資家向けと考えますが、これまで取引がなかったりメインバンクではなかった金融機関
や社債投資家向けに事業計画説明会などを開催し、金融機関のシンジケートローン(複数の金融機関による融資団からの借入)による資金調達を行うケースが増えているようです。
デットIRは「デット」といいいますように、通常の株主向けのIRと比較しまして、キャッシュフロー、安全性や債務償還能力が重視される点に特長があります。
【デユーデリジュンス】
M&A(合併・買収)などに際して、対象企業の資産価値、負債の状況、簿外債務、契約関係、保有特許、株主属性などを調査すること。
【電子帳簿保存法】
従前は国税関係の帳簿書類は紙ベースの保存が義務づけられていましたが、その全部または一部について電磁的記録により保存することを認める法律です。法律制定の目的は企業側の保存コストの削減ならびに税務当局側のコンピュータ検索による税務調査の効率的運用です。
電子帳簿保存法の申請が認められるためには電子媒体による記録が故意に改竄されないこと及び必要なデータが速やかに検索できることの二つが要件となります。この二つの要件が備えたシステムについて企業が申請すれば原則として認められ、企業はシステム開発の予定に応じて申請するシステムの範囲を決めることができます。
また、データの改竄は企業の思いもやらないハッカーなどによっても行われてしまうことを考えますと、申請するシステムには十分なセキュリティー対策を施しておくことも要求されると考えられます。
なお、電子帳簿保存法は略称で正式には「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」といいます。
【トラッキングストック】
子会社や特定事業部門の業績に連動して配当を支払う種類株式。対象が子会社であれば子会社の支配権を減少させることなく、企業グループとしての資金調達を行うことができます。
それはトラッキングストックの発行により、これまでは低業績の事業に足を引っ張られて、好業績の事業の業績が相殺されてしまっていたというコングロマリット・ディスカウントを解消することができるためです。
【トレーサビリティー】
製品の加工履歴の追跡確認。狂牛病・BSE問題で増大した食品に対する消費者の不安に応えるため、原料や飼料としてどんなものを利用して生産したかという情報を企業が提供しようとしています。
【土地再評価法】
1998年3月議員立法により成立した法律で、事業用土地(販売目的以外の土地)を時価で計上することを特例として認めたもの。適用期間は2002年3月までの一回だけで、再評価を行う場合は、事業用土地のすべてを再評価することとされました。
土地再評価法による土地の評価益は税効果会計の適用により、再評価差額の約60%相当額を資本の部に土地再評価差額金として、約40%相当額は繰延税金負債として負債の部に計上されています。
【内製資産】
自社で使用する治工具、器具備品、金型、その他設備など自社内で製作する資産。内製資産の会計上のポイントは内製にかかるコスト、特に人件費率や経費率(間接経費率)をどのように設定すればいいのかという問題があります。すなわち、人件費率などを高めに設定すれば人件費や経費が固定資産に計上される金額が大きくなり、利益を出すことができる。逆に低めに設定すれば利益を少なめに計上されることになり、会計監査などでも重要な監査要点となっています。
また、経営的な観点からは人余り対策のために器具備品等の内製化は本当に有効なのか、内製化という選択を採るよりも人員削減に踏み切るべきではないのか、また、製品の競争力や開発力を維持するにはコアとなる固定資産の内製化は困難な面があっても行うべきではないか、などのポイントがあります。
【内部資本金】
事業部制を採用している企業が事業部ごとの貸借対照表・キャッシュフロー計算書などを作成し、事業部ごとの業績評価を行うとする場合に事業部ごとの資本金(内部資本金)の設定が必要となります。
ただし、現実問題としまして当初に企業全体の資本金を本社分と各事業部分とに振り分けるときの振り分け方はかなり難しい問題で事業部間の力関係が大きく影響をしたりすることがあります。また、内部資本金の設定で各事業部にしこりが残りますと、事業部間の内部取引が当初の設定したルール通りに行われなくなることも考えられます。
現実的にはなかなか困難かもしれませんが、持株会社を頂にした企業再編が今後も頻繁になることを考えますと、事業部をいつでも切り放し可能なモジュール型にしておくことも大事なことと思われます。
【内部統制】
業務の有効性と効率性、財務報告の信頼性、関係法規の遵守などの実現を目的として企業内につくりあげた仕組みのこと。具体的には内部牽制がその一例です。内部牽制とはモノ(現金を含む)の取扱いとその記帳の担当者を分けたり、また、実務担当者とは別に承認者を設けたりして正しい記録が作成され、不正や横領が生じにくくすることを目的とする業務規定や業務の処理の流れをいいます。
【内部振替価格】
企業内に複数の事業部があり、事業部間の取引を行っている場合に事業部ごとの業績評価を行うために設定された取引価格のこと。内部振替価格設定の考え方には原価基準と市価基準とがあります。原価基準とは製造原価(+α)をベースに価格設定をする考え方でいささか単純な表現をしますと「製造部門がこれだけコストがかかったのだから、販売部門にコスト見合い部分は請求する」というものです。一方、市価基準は「販売部門は市場ではこの価格でしか売れないのだから、このぐらいのコストで製造部門は生産してくれ」というものです。
原価基準と市価基準のどちらを採用すべきかは上記の単純な表現に見られますように、最終消費者は誰なのか、市場価格は激しく変化するのかといった状況をもとに決定すべきものと考えられます。
【ナレッジマネジメント】
企業の内をのぞくとコンピュータではできないようなミクロン単位での切削ができる職人、1ヶ月に通常の社員の1年分の受注を獲得してしまう営業マンなど卓越したスキルを持った人が何人もいます。ですが、こうした匠の知恵も多くの場合、個人レベルで閉じたものであり(自分の身体の外に文書・図などの具体的な形をもって表現されていない状態)、企業全体の共有すべき財産とはなっていません。
しかしながら、こうした匠の知恵を企業で社員全体で共有でき、社員がそれぞれの事業活動で利用できれば企業の事業基盤も大きく強化されることになります。ナレッジマネジメントを行う狙いもここにあります。
ナレッジマネジメントの手法は次のようになります。
(1)言葉・図などで表現されていない知恵の表記をし、伝承できるようにする。
(2)社員同士の対話・共同作業を通じて互いの知恵を育成する環境をつくる。
【ナンバーディスプレイ・サービス】
NTTが提供している発信者の電話番号表示サービス。このサービスと顧客管理システム、さらにCTI(コンピュータ・テレフォニー・インテグレーション)というシステムを組み合わせると、顧客からの商品注文時に顧客の氏名や住所が自動的にオペレーターのパソコンに表示させることができ、注文処理が迅速化され注文ミスもなくなります。氏名や住所など固有の書き方をする場合も少なくなく、また、顧客の方も「何回もこれまで注文しているのに、何回同じことを言わせるのか」という感情を抱かせることがなくなりますので便利なサービスといえます。
また、顧客管理システムの方でこれまでの顧客の注文履歴を蓄積していれば、「毎度ありがとうございます。この前、ご注文いただいた○○はいかがでしたか」というような対応もでき、顧客からの親密度向上も期待できます。このようにナンバーディスプレイ・サービスはCRM(カスタマー・リレーショナルシップ・マネジメント)やワン・ツーワン・マーケティングの入り口といえるともいえるサービスと考えることができます。
【日本振興銀行】
東京青年会議所のメンバーが設立を企画している中小企業専門に融資する銀行。日本振興銀行の特長は、資金の調達は定期預金のみ、小口の決済業務は行わず、中小企業に無担保で金利3〜15%で融資するというもの。
金利は原則無担保融資となるため、一般の金融機関よりは高いものとなっています。ただし、同じく無担保融資の商工ローンよりは大幅に安い金利とすることで、資金繰りに苦しむ中小企業を支援することを目的としています。営業開始は2004年4月の予定です。
【BSC(バランス・スコア・カード)】
財務の視点・顧客の視点・内部プロセスの視点・学習と成長の視点という4つの視点をもとに戦略策定や戦略展開を効果的に行うための考え方。
売上高などの財務指標(財務の視点)を上げるには顧客満足度を向上させなければならない(顧客の視点)。顧客満足度を向上させるには製品・サービスの品質やリードタイムを改善する必要がある(内部プロセスの視点)。製品・サービスの品質等を向上させるには従業員の研修や教育等を通じて労働の質を高めなければならない(学習と成長の視点)と考えていただければ4つの視点の意味がおわかりいただけると思います。
このようにBSCは、財務という過去の指標と学習という未来の視点という時間軸でのバランス、財務という定量的な指標と顧客満足度という指標という評価軸のバランス、全社売上高(財務の指標)と従業員1人の能力(学習の指標)という組織の階層軸のバランスなど、様々なバランスや因果関係を体系的におさえながら戦略策定や戦略展開を行うという意味で注目を集めています。
【ビジネスモデル】
どういう顧客に対して、自社の強みを活かして、どういう価値提供を行い(バリュー・プロボジション)、収益を確保していくかというビジネスの枠組み。当然ながら顧客への提供価値は競合相手を上回るものでなくてはなりません。
ビジネスモデルを活動別に具体化したものがビジネスシステムであり、ビジネスプロセスです。
【ビジョン】
企業などがミッションを追求する過程で、将来我が社はこうなりたいという具体的な状態を表現したもの(将来像)。
関連用語:ミッション、ストラテジー(戦略)
【ビックバス】
いったん業績が悪化した企業がその後急激に業績が回復するのを「V字回復」といいますが、V字回復に似せた効果を作り出すために恣意的に見積要素が多い引当金繰入額などの費用を多く見積もることなどの会計操作を施すことがビックバスという言葉です。
急激な業績回復によるイメージ効果や株価上昇を狙って、アメリカではしばしば行われているようです。
【BTO(ビルド・ツー・オーダー)】
顧客からの注文を受けてから製品の製造を開始する仕組み。通常、パソコンや自動車などの一般消費者向けの汎用品はあらかじめいくつかのパターンの製品を需要予測に基づき生産し、それから販売します。そのため、需要予測を誤ったり、消費者がその製品に魅力を感じなければ大量に在庫を抱えてしまうことになります。
しかしながら、標準となる部品だけを在庫として持ち、製品の組立は顧客からの注文があってからとすれば製品在庫の大幅な圧縮により製品陳腐化の回避、キャッシュフローの改善が見込れ、経営基盤も強化することができます。また、顧客からの個別要求(例:パソコンのメモリーは256M欲しいなど)もオプションで提供ができ、顧客満足度も上昇させることができます。
ただし、BTOの仕組みを作るには無駄のないビジネスプロセス、それを支える情報システム、部品製造・組立・物流などの業務を分担する企業との強固な連携(サプライチェーンの確立)が必要であり、一朝一夕には構築できないと思われます。
【ブックビルディング方式】
ブックビルディング方式、通称BB方式とは株式会社の株式上場において、その新規公開価格を投資家の需要を積み上げることにより決定する方式のことです。
ブックビルディング方式は、投資家の需要をベースに決定するため、株式市場の状況に即した公開価格が形成されます。換言しますと、上場予定会社が実力以上の公開価格を付け、初値が公開価格を大きく下回るということがなくなると期待できます。
【ベンチマーキング】
自社の業務プロセスと卓越した他社の業務プロセスの時間、コスト、品質等を比較することにより、BPRなどの業務改革の目標値設定やモデルとすること。アメリカの航空会社は飛行機の駐機時間をなるべく少なくするためF1チームをベンチマーキングしたと言われています。
このように自社においてコアプロセスとなる業務プロセスについて業界の垣根を超えた優良企業とベンチマーキングすることが多いと思われます。
【ボイスメール】
電子メールの音声版。文字データと同じように電話で話される音声データを蓄積、再生、転送、一斉同報通信などが行えます。文字データと違うのは発信者の感情を生で伝えることができ、臨場感
など文字だけでは伝えきれない状況を伝えることができます。
【法定実効税率】
利益に対する税金(法人税・住民税法人税割・事業税)の割合。税率ですが税務用語というよりは会計上の利益に対する税務コストという意味で会計の世界で使用とされる用語といえます。法定実効税率は次の計算式で算出することができます。法人税率30%、住民税率20.7%、事業税率9.6%としますと法定実効税率は40.86%となります
(標準税率ベース)。そのため、フリーキャッシュフローの計算では40%として多くの場合用いられています。
法定実効税率={法人税率×(1+住民税率)+事業税率}/(1+事業税率)
なお、2004年4月1日以後に開始する事業年度から資本金1億円超の法人に対して法人事業税に外形標準課税制度が導入されることになり、その結果、事業税(所得割)の標準税率が7.2%に引き下げられます(現行は9.6%)。その結果、それ以後の法定実効税率は40.5%となります。
【ミッション】
我が社は何のために存在するのか、我が社はどういう価値観を追求し社会に貢献するのか、という使命観や理念。追求すべき価値観や理念を表現するものであり、目指すべき状態(例:業界トップの売上高となる)を表現するものではないため、ミッションには限界というものはないことになります。
関連用語:ビジョン、ストラテジー(戦略)
【みなし大会社】
資本金が1億円以上で5億円未満の会社は商法特例法による会計監査人(監査法人、公認会計士)の監査を受ける義務はありませんが、自ら選択して、会計監査人の監査を受けたり、委員会等設置会社を選択することができます。そうした会社がみなし大会社です。
【みなし配当】
一般的な利益処分による配当でなくても、合併(適格合併を除く)・解散・減資などが行われたときにそれまでに会社に蓄積された利益積立金(留保利益)が株主に移転し、経済的効果からみれば配当をおこなったと同様の効果が生じる場合があります。これがみなし配当です。株主がみなし配当を受けた場合、配当所得が発生し、源泉徴収もなされることになります。
関連用語:付替え計算
【目標管理(MBO)】
目標管理(MBO:Managemet By Objectives Self
Control)とは、社員が上から自分がやるべきことを押しつけられて自分の業務内容を決めるのではなく、自らが達成すべき目標を立て、そしてその目標を達成するよう自らの業務活動をコントロールしていくというもの。
社員自らの自発的意志で目標を立てるという意味では目標達成のための強い動機となり、その意味では効果は期待できると考えられます。しかしながら、社員が自ら目標を立てるといっても企業全体ならびに所属部門との整合性は前提となるため、限界はあると思えます。
類語:成果主義、年俸制、コミットメント
【持株会社】
総資産に占める子会社株式の割合が50%を超える会社。平成9年の独占禁止法の改正により「持株会社が解禁」になりましたが、単に持株会社と呼ばれる会社は自ら事業を営まず、グループ会社の一体的なコントロールのみを行う純粋持株会社を指すことがほとんどと思われます。
純粋持株会社に対して自ら事業を営む持株会社は事業持株会社と言われます。自ら事業を営み、子会社株式等を保有するという状態から見ると親会社と類似したものと考えていいでしょう。
【モニタリング】
直訳すればモニタリング=監視となります。何かこわい印象を受けますが、既に一般的になってしますテレビの視聴者や新製品の使用者に対するモニターと同源の言葉です。
最近、監査を初めとしていろいろモニタリングという言葉が使われるようになっています。モニタリングは何かある活動の実施状況をずっと観察して、当初の活動の目的にしたがっているか、また、当初期待された成果(生産量、品質、時間など)があげられているかをチェックし、当初の目的などが達成されていないときには、その原因を調査し、必要な是正措置をとるために行われるものです。必要な是正措置を施した後にも継続的にモニタリングがなされて改善されたかどうかをチェックしていきます。
類語:コントロール
【有効在庫】
ある特定の日に出荷可能な在庫数のこと。例えば顧客が3月20に商品を100個欲しいという注文を3月10日に受けたとき、3月10日現在の在庫数は50個、3月10日から19日までの入庫予定数が300個、同じく出庫予定数が200個であったとしますと、3月20日当初の有効在庫数は150個となり(=50+300−200)、この注文は受けられることになります。
また、もしこのケースで3月10日から19日までの入庫予定数が200個、同じく出庫予定数が200個であったとしますと、3月20日当初の有効在庫数は50個となり、顧客の100個の注文には即座に応じることができず、仕入先に追加注文を出す、あるいは分納が可能かなどの手続を踏むことになります。
有効在庫数が顧客に対して回答できるためには、購買・生産・在庫システムのデータが一元的に管理され(同期が取れ)、かつ、受注担当係のパソコン(端末)でリアルタイムの在庫データが確認できる必要があります。
【有税処理(償却)】
有税処理とは、多くの場合、会計上は費用として認められるが、税務上の要件を充たさないために申告書において加算項目として処理せざるを得ない会計処理をいいます。加算とは所得を加算するという意味で、所得が増加し、したがって法人税額も多くなります。
有税償却とは最近では金融機関が貸付金を税法の要件を充たしていませんが、資金回収が著しく困難と判断して貸倒処理する事例が多いといえます。また、製品のライフサイクルが短縮化しているため、税法が規定する耐用年数よりも短い耐用年数で減価償却することもありますが、この場合も有税償却という扱いになります。
【優先株】
通常、株式会社の発行する株式は共益権(会社運営に株主として参加する権利)と自益権(配当をもらう権利)の2つの権利を有します(これが普通株式です)。ですが、投資家の中には会社運営には参加する気はないが、配当は多く欲しいという人も少なくありません。そういった人たちのニーズに応えるために発行されるのが、自益権だけを付与した株式が優先株です。
そのため、優先株の所有者は株主総会には参加できませんが、普通株主の所有者よりも多めの配当をもらえる権利を持ちます。
最近では国が金融機関の優先株を持つケースが増えています。なぜ、普通株式ではなく優先株なのかと言いますと、元々は国民の税金で優先株を購入していることから配当がなるべく多い方がいいということや、普通株式のような共益権を持つと、国が金融機関の経営に株主として口を出すことになるという点にあると考えられます。
【茹でガエル現象】
企業などの改革は短時間のうちに、一気呵成に行わなう必要があり、時間をかけて改革を行うと環境変化にも気づかず、緩慢な死を迎えてしまうこともあります。
これを比喩したものが「茹でガエル現象」です。カエルを湯を入れた鍋に入れて徐々に湯を沸かしていくと、カエルは徐々のぼせあがってお湯の中で倒れてしまうが、一方、沸騰したお湯にカエルを投げ入れると、その熱さからカエルはすぐにお湯から飛び出してしまうというものです。
【与信限度】
企業が得意先にどれくらいの与信(=売掛金・受取手形による販売金額)を設けるかの限度額。企業にとっては顧客が自社の商品・製品をできるだけ多く購入してもらうことが必要ですが、顧客の倒産等により販売金額が回収できなければ何の意味もありません。
そのため、顧客の信用度を格付けして「A企業には3000万円の与信限度、B企業には5000万円の与信限度」を定めるというように企業では内部の取り決めをしているのが一般的です。
ただし、ややもすると「C企業は東証一部上場だからAランク」というように必ずしも顧客企業を個別に審査して与信限度を付与していないケースも少なくないようです。現在では言うまでもなく、上場企業でも倒産に至る時代です。顧客企業を個別に審査し、顧客企業の属する企業グループや主な取引先の信用度まで考慮して与信限度を定める必要がありと言えます。
【リース会計】
リースといいますと、何らかの物件を借りるというイメージがあるかもしれませんが、物件を製造する企業にユーザーが物件の注文をし、納入をしてもらう。そして、物件の代金はリース会社が支払い、リース会社はユーザーからリース期間にわたり、その物件代金に利息や手数料を加味した金額をリース料として受け取るというリースが多く行われています(ファイナンス・リース)。
そうなりますと、形式上はユーザーは物件の賃貸を受けているように見えても、実態はユーザーは物件を購入してその代金はリース会社から金融サービスを受けていることになります。
そうした理由ががあるため、リース会計基準が改正され、平成20年4月からファイナンスリース取引(正確には、所有権移転外ファイナンスリース取引)について税務上も基本的には売買処理をしなければいけないとなりました。
【リースバック】
新品または自社が使用している固定資産をリース会社等に売却し、リース会社等からその固定資産のリースを受けること。
リースバックというよりは「セール・アンド・リースバック」という方が正式な言い方になります。
リースバックは実質的には固定資産を担保とした資金調達といえます。固定資産の売却収入よりリース料総額の方が高くなりますが、一時的な資金需要に対応するためには有効な方法かもしれません。
こうした実態を考慮して、税法では原則的にはリースバックは資金の賃貸借取引とみなされます。
【リビング・デッド】
VC(ベンチャーキャピタル)が成長力があり、将来株式公開ができる可能性が高いと判断して投資を行ったが、その後様々な理由(例:ITバブルの崩壊など)で株式公開できる見込みがほとんどなくなってしまった企業に対して使われています。
VCは、投資先企業の経営者に株式の買い戻しを迫ったり、投資先企業の取引先企業やVCの他の投資先企業との合併などでリビング・デッドの解消を図ろうとします。
【リレーションシップバンキング】
長期的に継続する取引関係の中から金融機関が借り手企業の経営者の資質や将来性などにもとづいて融資を行うビジネスモデル。金融庁はリレーションシップバンキングの機能強化のためにアクションプログラムを策定し、平成15-16年度を集中改善期間として推進していくということです。
【劣後債】
社債発行会社が倒産したときに債権者(社債権者)であれば残余財産分配請求権を有しますが、残余財産分配請求権の優先順位を他の債権よりも下げる代わりに、利回りを上げた社債のこと。劣後債は金融機関が自己資本比率を上げるために発行することがあります(BIS規制では劣後債を自己資本として扱うため)。
【レポ取引】
現金担保付債券貸借取引のこと。文字通り、現金を担保として債券の貸借を行う取引をいいます。
関連用語:債券現先取引
【連結計算書類】
商法の規定により、作成しなければならない連結ベースの決算書。連結財務諸表(証取法)と異なり、連結貸借対照表及び連結損益計算書のみで、キャッシュフロー計算書やセグメント情報などは要求されていません。
作成が要求されるのは、商法特例法上の大会社(資本金が5億円以上又は負債総額が200億円以上の株式会社)のうち、有価証券報告書を提出している会社です。
連結計算書類は3月決算会社ですと、平成17年3月期から作成することになります。
【連結納税】
従来は個別の企業ごとに行われていた法人税課税をいったん企業グループごとに課税所得を合算し、調整を行った上で企業グループの納税額を算定し、その納税額を企業グループ各社に配分させて納税を行う方法。平成14年4月から適用できることになりました。
連結納税がなぜ必要とされているかというと、企業が新事業を開始しようとするとき事業のスピードが異なったり、給与体系も既存企業と同じにはできないということがしばしばあります。そうしたとき、新事業を別会社として独立させようとする選択肢があります。
しかしながら、税金の負担から考えますと既存企業の所得(新事業を除く)が10億円、新事業(会社)の所得が△2億円としますと、分社させない場合ですと一つの企業として課税されますでの8億円の課税所得となります。一方、分社化を行った場合は2つの会社それぞれ別に課税所得が計算されますので、既存会社10億円、新事業会社0億円となり、グループとしてみた場合には10億円となってしまいます。つまり、分社してしまいますと新規事業がもたらす△2億円の節税効果がなくなってしまうことになるのです。そのため、企業としては新規事業の分社化に二の足を踏んでしまい、新規事業への進出や立ち上げが遅くなるおそれが指摘され、たとえ新規事業を別会社としても企業グループとして合算した課税方式をとる連結納税制度の必要性がでてきたわけです。
ただし、連結導入後は法人税の税収が大きく減額されるため、その税収不足を補うために平成14年4月から平成16年3月までの2年間は付加税として税率に2%付加されます。
【連結法人】
連結納税を適用する企業のことで、連結親法人と連結子法人とからなります。連結子法人は100%子会社のみが対象となります。また、連結対象となる子法人は100%子会社すべてが連結納税の対象となり、親会社(連結親法人)が任意にその範囲を選択はできません。
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